2012年05月30日 11:20 公開

妊娠中の喫煙で胎児の脳の発育が遅れる可能性

頭囲が小さくなる

 妊婦中に喫煙していた母親から生まれた出生児は頭囲が小さいことが、東海大学医学部(神奈川県)の逢坂文夫講師(公衆衛生学)らの調査で分かった。同講師は「母親の喫煙によって、胎児の脳の発育が遅れる可能性がある」と指摘する。

母親約2,400人を調査

 逢坂講師らは、神奈川県内の都市部にある3つの福祉保健センターで、第一子の4カ月検診を受けた母親2,387人に、母親の妊娠中の喫煙習慣や出生児の頭囲などについて聞いた。

 喫煙習慣があったのは181人で、たばこを吸ったことがない非喫煙者が1,812人、かつては吸っていたが妊娠確認までにやめた禁煙者が394人だった。

 喫煙習慣の有無別に出生児の頭囲を見たところ、非喫煙者から生まれた子は平均で33.0センチ、禁煙者から生まれた子も同33.0センチで同じだった。一方、喫煙習慣がある妊婦から生まれた子は、1日の喫煙本数が1~9本で平均32.5センチ、10~19本では32.8センチ、20本以上では32.7センチとなった。

妊娠考えたら禁煙を

 「妊娠中に喫煙習慣があった場合となかった場合で、出生児の頭囲は統計的に明らかな差が出た」と逢坂講師。

 また、頭囲が小さくなるほど出生児異常(保育器に入れる必要があるなどの発育不全)が多く、頭囲が31.0~35.0センチ以上では出生児異常の割合が6.5~11.2%だったが、頭囲が30.0~30.9センチでは25%、29.9センチ以下では54.8%にもなった。

 5月31日は、WHO(世界保健機関)が呼び掛ける世界禁煙デー。逢坂講師は「妊娠中の喫煙で胎児の脳の発育が遅れるようだ。出生児異常も高率になるので、妊娠を考えている女性は禁煙してほしい」と呼び掛けている。

(編集部)

2009年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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