2012年06月26日 12:00 公開

遠くの緑を見ると目が良くなる?

 田舎に旅行に行くと遠くの緑を見るようにしています。 目が良くなるって信じている私はだまされているのでしょうか?

みき(女性)

遠くの緑を見ても視力は良くなりませんが、目をいたわる効果はあります。

 物がはっきり見えるのは、レンズに相当する目の水晶体が厚さを変えることでピントを合わせているからです。水晶体の厚みは毛様体筋が調整しています。遠くを見るとき毛様体筋はリラックスして水晶体を薄くし、近くを見るとき毛様体筋は緊張して水晶体を厚くします。

 近年、テレビやパソコンだけでなく、ゲームや携帯電話、携帯情報端末など近くを注視する機会がとても増えています。長時間近くのものを見続けていると、毛様体筋はずっと緊張した状態が続くため負担が大きくなります。時々近くから目を離し、遠くを眺めたり、目を上下左右に動かしたり、ぐるりと回転させたりしましょう。毛様体筋が緩み、目の緊張もほぐれます。

 1時間に1回10分くらいは休憩し、目と体を休ませることが大切です。長時間同じ姿勢でいることは、体にも良くありません。目を閉じて休めたり、軽い運動で体をほぐしたりすることは、目や体の疲れを癒すのに効果的なのです。

 田舎の緑は視力の回復に直結はしませんが、室内に閉じこもってばかりでなく、外に出てみましょう。緑豊かな自然に触れると心身ともにリフレッシュできますし、木々の緑を眺めると穏やかな気持ちになれます。

中野 里美(なかの さとみ)

1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。