2012年07月03日 10:55 公開

内臓脂肪はなぜ悪い? メタボの恐ろしさ

高血糖、高血圧、脂質異常起こす―夜食や間食減らして歩こう

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、「メタボ」と略され、よく耳にするようになったが、何が悪いのだろうか。東京逓信病院内科の宮崎滋部長は「内臓脂肪が増えると、高血糖、高血圧、脂質異常を引き起こすのです」と警告する。

細胞の働きに違い

 肥満には、皮膚の下の脂肪が多い皮下脂肪型肥満と、内臓(特に小腸)の周囲の脂肪が多い内臓脂肪型肥満の2タイプがあり、健康上問題になるのは内臓脂肪型肥満の方だ。メタボとは、この内臓脂肪型肥満に加え、血圧、血糖、血中脂質のうち2項目以上が基準値を超えている状態のことを指す。

 皮下脂肪も内臓脂肪も、脂肪細胞という細胞内に脂肪がたまったものだが、皮下と内臓とでは細胞の働きが違う。本来、内臓の脂肪細胞は、体の働きを調節するさまざまな物質(生理活性物質=アディポサイトカイン)を分泌し、健康な状態を保つ働きをしている。

 ところが、内臓脂肪が増えてくると、その生理活性物質の分泌に異常が起こり、高血糖、高血圧、脂質異常などを引き起こす。そうなると、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性が高まるのだ。

 逆に、「高血糖や高血圧、脂質異常があっても、原因が内臓脂肪型肥満なら、肥満を解消すると一気によくなる可能性が高いといえます」(宮崎部長)。

脂減らし野菜取ろう

 では、内臓脂肪はどうすれば減らすことができるのか。ポイントは生活習慣だ。まず食事面では夜食や間食を減らす。寝る前の食事はエネルギーを消費しにくいので避ける。また、エネルギーが高い脂っこいものを減らす。そして、野菜を十分に取る。野菜には、内臓脂肪の悪い働きを抑える作用があり、1日300グラム程度が望ましい。体の方も活動性を高めたい。現在より1日3,000歩多く歩くことがお勧めだ。

 宮崎部長は「車に乗らない、エスカレーターと階段があれば階段を使う、電車内では椅子に座らない、目的地には1つ遠くの駅から歩くなど、『ちりも積もれば』の工夫で、歩数を増やすとよいでしょう」と助言している。

(編集部)

2009年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)