2012年07月03日 10:55 公開

夏バテ「慢性型熱中症」―高齢者は要注意!

気温や水分への感覚低下、気付かないまま徐々に進行

 例年、夏の終わり頃から秋口になると夏バテを訴えるお年寄りが増える。東京慈恵会医科大学環境保健医学講座の柳澤裕之教授は、夏バテについて「高温多湿の環境下での軽度の発汗が持続的に起き、徐々に水分と塩分が喪失する慢性型の熱中症です」と説明する。若い人に比べ、高齢者では気温や水分に対する感覚が低下しているため気付きにくく、対応が後手に回りやすいので予防を心掛けたい。

水分と塩分が喪失

 若い人が夏バテの状態になると、喉が渇くなど体が発汗しただけの水分と塩分を要求する。ところが年を取ると、その反応が弱くなるため、気付かないまま徐々に進行してしまうケースが多い。

 「8月末から9月にかけて、体のだるさや微熱、力が出ない、気持ちが悪いといった夏バテ症状を訴えて受診する高齢者が増えます」(柳澤教授)

 ひどい場合は、慢性の脱水症で意識レベルが低下する人もいる。

室内は風通しを良く

 お年寄りの夏バテは、日常生活に支障を来すばかりか、生命にも関わりかねない。予防には、屋内の通風と小まめな水分補給が基本。柳澤教授は、具体的に次のような点に注意するよう求めている。

  1. 家は閉めきらないで窓を開け、風通しを良くする
  2. 喉の渇きを自覚しなくても1時間に一口は水分を補給。スポーツドリンクは塩分も含まれているので理想的な水分補給ができる
  3. 外出に際しては、帽子や日傘を利用するとともに日陰を選ぶ
  4. 一気に歩き続けないで、小まめに休息を取りながら移動する

 「こうした注意を心掛けていても、体のだるさや微熱など夏ばて症状を自覚したときは、病院などを受診するように」と、柳澤教授は助言している。

(編集部)

2009年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)