2012年07月03日 12:00 公開

扇風機の風を当てながら寝ると死ぬ?

 節電対策のため扇風機を活用しています。 そこで思い出したのですが、体に扇風機の風を当てながら寝た人が皮膚呼吸できなくなって死亡したという記事を見た気がします。 もし本当ならもっと話題になっていると思いますが、少し気になります。

すずき(女性 30代)

健康な状態であれば、扇風機をつけたまま寝ても亡くなることはありません。

 「亡くなってしまうから、扇風機をつけたまま寝てはダメ」と注意され、なんとなく怖くて言いつけを守っている人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。

 「発見時、亡くなった方の部屋では扇風機が動いていた」などと報道されると、扇風機を使用中に突然亡くなり、あたかも扇風機が原因であるかのような印象を受けます。でも、亡くなった方々は心臓病やアルコール依存症などの持病が死因であり、扇風機が直接の原因になったとの医学的な根拠は認められていません。

 とはいえ、持病のない健康な人であっても扇風機をつけっぱなしのまま寝てしまうと、寝冷えして風邪をひいたり、冷えておなかを壊したりしてしまいます。また、長時間風圧のストレスを受けることで、だるくなったり、体が重く感じたりもします。

 高齢や病弱、過労など体に要因がある場合や泥酔状態、睡眠薬の服用で眠りが深い時など、扇風機の風を長時間受けていると体温調節が上手にできずに体調を崩してしまうので、特に注意が必要です。

 最近はエアコンが主流となりましたが、節電の観点から扇風機がまた注目されています。扇風機を使う時は、体に直接強い風が当たらないように風向きを調節したり、一カ所に風が集中しないように首振り機能を使ったり、タイマー機能を活用して長時間の使用を避けるなど工夫をしましょう。

中野 里美(なかの さとみ)

1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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