2012年07月27日 09:42 公開

傷が治ったのに痛み続く「神経障害性疼痛」

ペインクリニックで治療を

 外傷や骨折などが治っているのに、傷を負った所で慢性的な痛みが続くことがある。神経障害性疼(とう)痛といい、適切な治療がなされていない場合が多い。気のせいにされてしまうケースもあるようだが、悩んでいたら、痛みの治療を行うペインクリニックを受診するとよいという。

神経の混線が痛みに

 神経障害性疼痛は、病名通り、何らかの原因で末梢(まっしょう)や中枢の神経に障害が生じて慢性的な痛みが続く病気。駿河台日本大学病院(東京都)の小川節郎院長(麻酔科)は次のように話す。

 「例えば、神経を地下に埋められている電話線のケーブルと考えてください。1本ずつの電話線は絶縁されていて機能を果たしていますが、そのどこかに障害が生じると混線が起きます。神経の場合、それが痛みとなって表れるのです」

 痛みには波はあるが、何もしないのにやけどしたときのようにひりひり痛むほか、下着が接触しただけでも痛むなどさまざま。原因も外傷や骨折の治癒後の影響のほか、手術後、がんや帯状疱疹(ほうしん)、脳血管障害などいろいろある。

 「外傷や骨折が治っているようなケースでは、気のせいにされる人もいます。こうした痛みに悩まされている場合は、ペインクリックを受診すべきです」(小川院長)

脊髄周辺に電気刺激

 市販の鎮痛薬を使う人もいるが、それでは改善しない。「神経が勝手に電気信号を出しているので、それを遮断するのが有効な治療になります」(小川院長)

 具体的には、局所麻酔薬による神経ブロックや点滴、それと同じ働きのある抗不整脈薬や抗痙攣(けいれん)薬のほか、抗うつ薬が有効だ。抗うつ薬は、痛みを抑える神経の働きを助ける働きがある。通常はこうした薬物療法で症状は改善するという。

 それでも改善しない場合は、脊髄電気刺激療法なども適応となる。小川院長は「この治療法は、心臓ペースメーカーのように脊髄の周辺に電気刺激を発信する小型の機器を埋め込み、痛みの信号を和らげたり逆に痛みを抑えたりする神経の働きを活発にするのです」と説明する。なお、脊髄電気刺激療法は健康保険が適用されている。

(編集部)

2010年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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