2012年08月03日 09:42 公開

生後すぐに白色便と黄疸...赤ちゃんの胆道閉鎖症

早く手術受けないと危険

 胆道閉鎖症は新生児期より黄疸(おうだん)を来す病気で、早く手術を受けなければ肝硬変へ進行し、その多くが1年以内に死亡する。またその間、見逃していると吐血や下血、頭蓋内出血を起こして生命に関わる。何よりもまず、早期発見が大切な病気だ。

おなかも張る

 胆道閉鎖症は、肝臓から胆のうを通って十二指腸につながっている胆道が詰まり、胆汁が流れなくなる病気。原因は分かっていないが、順天堂大学医学部(東京都)小児外科の岡崎任晴准教授は「生後すぐから1カ月頃に、便が灰白色(クリーム色)になり黄疸が出てきます。その後、肝臓が腫れるのでおなかが張ってきます。さらに進行すると、肝臓の働きが低下して吐血や下血、頭蓋内出血が起こったりするのです」と説明する。

 肝硬変に進行し、また出血が起これば当然、生命に関わってくる。早期発見が欠かせないが、それには両親がこうした病気があることを理解するのが第一だ。

 「新生児には生理的な黄疸もありますが、その場合は2~3週間で消失します。それ以上黄疸が続き、便の色が白っぽくなってきたときには小児科を受診すべきです」(岡崎准教授)

手術成功率60~70%

 胆道閉鎖症が疑われる場合は、専門医を紹介してもらうとよい。診断では、超音波検査と造影剤を注射して胆道の流れをレントゲンで見る胆道シンチグラフィーが行われる。乳児胆炎など紛らわしい病気の可能性がある場合は、肝生検やおなかを切って行う術中造影検査が必要になる。

 診断が付けば、詰まっている胆道を腸の一部で置き換える手術を行う。成功率は60~70%。腹腔(ふくくう)鏡による手術も可能になってきているという。

 また、手術後に胆管炎を併発する場合もある。「その初期症状は発熱なので、手術後両親は注意しなければなりません。胆管炎は抗生物質の投与で治療できますが、胆道閉鎖症の子供の中には長期の経過観察中に肝臓の移植が必要になるケースもあります」(岡崎准教授)

 胆道閉鎖症は新生児1万人に1人の割合で見られるという。赤ちゃんにとっても親にとってもつらい病気だが、現状では早期に適切な治療を受けるのが最善の対応になる。

(編集部)

2010年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)