2012年08月10日 09:42 公開

狭心症の治療、ステント留置で100%治る

薬剤溶出で再発率も低下

 狭心症は心筋梗塞に移行したり、致死的な不整脈を起こしたりする。放っておけばいずれ心不全を起こす。ただ、治療を受ければほぼ100%治るという。心臓血管研究所(東京都)の相澤忠範所長は「治療では冠動脈の狭くなった部位を広げて金属製の網目状のチューブ(ステント)を留置します。これで健康な人と同じ生活が送れるようになります」と話す。

胸が締め付けられる

 日々休みなく働いている心臓には栄養が必要だが、その供給ルートとなっている血管が冠動脈。狭心症は冠動脈に悪玉コレステロールや中性脂肪がたまって内部が狭くなる動脈硬化を起こし、血流が悪くなって起こる。

 「動脈硬化の背景には高血圧や糖尿病、喫煙などが絡んでおり、狭心症は生活習慣病なのです」(相澤所長)

 狭心症は大きく分けると、階段を上るなど体を動かした時に起こる労作時狭心症と、明け方など体を動かしていないのに起こる安静時狭心症の2種類があり、いずれも胸がぎゅっと締め付けられるように苦しくなる。労作時狭心症で、何もしなくても症状が出ることもあり、そうなると心筋梗塞の一歩手前といわれる。

 相澤所長は「心筋梗塞になると治療は難しく命にも関わります。そのため、早期に狭心症の治療を受けることが大切です」と助言する。

治療時間は10分

 狭心症の治療は現在、2ミリほどの管(カテーテル)を主に手首の血管から入れ、冠動脈の狭くなった所に送り込んで広げるカテーテル治療が主流だ。カテーテルの先にはステントが付いており、これを広げた部分に留置する。この間ほんの10分くらいで、入院も一般的には2泊3日で済む。

 最近よく使われるのは薬剤溶出ステントといって、留置すると金属に染み込ませた薬剤(免疫抑制薬や制がん薬)が一定期間徐々に溶け出し、冠動脈内部の組織の盛り上がりを防ぐもの。これによって冠動脈が再び狭くなる率が低下したという。

 相澤所長は「狭心症は治療で治ります。ただ、治療を受けた後も野菜や魚中心の食事、運動の励行、禁煙など生活習慣の改善に努め、服薬は医師の指示を必ず守ってください」と助言している。

(編集部)

2010年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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