2012年08月15日 09:42 公開

中高生の過敏性腸症候群、腹痛と下痢・便秘続く

背景に試験や人間関係のストレス

 下痢や便秘に伴う腹痛、腹部膨満感などさまざまな症状を起こす過敏性腸症候群。中学・高校生に増えており、クラスに1~2人いても不思議はないほどだという。見逃していると登校拒否にもつながりかねないので、早期に的確な治療が求められる。

母親からストレス

 順天堂大学医学部(東京都)小児科の清水俊明主任教授は、過敏性腸症候群について次のように話す。「これといった炎症や病変は認められないのに、腹痛と下痢や便秘といった便通異常が続きます。下痢と便秘を繰り返すものや、それぞれの症状が単独で生じるタイプがありますが、典型例は下痢が前面に出るケースです」

 背景にあるのがストレス。誰でも緊張を強いられるなどストレスが掛かると便通異常を起こしやすいが、それが強く生じる体質の人に起こりやすいと考えられている。

 「ストレスは個々に異なりますが、多いのが試験や人間関係です。特に人間関係では、母親からのストレスを感じているケースが目立ちます」(清水主任教授)

生活習慣見直しを

 治療にはストレスの軽減が欠かせないが、本人がストレスに気付かないケースもある。清水主任教授は「見逃していると登校拒否につながりかねません。逆に、学校に行きたくないために腹痛や便通異常を訴える心因性のケースもあります。また腹痛や便通異常を伴う病気は多いので、症状に気付いたときには小児科、できれば消化器の専門医を受診して原因を調べてもらうべきです」と助言する。

 過敏性腸症候群と診断が付けば、ストレスの軽減を図ることに加え、生活習慣の見直しが必要だ。毎朝きちんと起きて朝食を取り、その後、排便する習慣を付けるのが第一。それで改善しない場合は薬物療法が行われる。

 薬は腸の動きを調節する消化管運動調節薬や、軟らかい便を硬くし、硬い便を軟らかくするポリカルボフィルカルシウムが一般的。こうした薬物療法とともに排便日誌が治療に役立つ。

 「便の回数や硬軟、腹痛の有無、ストレスの掛かり方などを毎日日誌に付けるとよいでしょう」と、清水主任教授は勧めている。

(編集部)

2010年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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