2012年08月22日 15:23 公開

ぜんそく持つ妊婦の飲酒で子供のアトピーリスク増加

デンマーク研究

 アトピー性皮膚炎はここ数十年、先進国で4倍に増加している一方、発展途上国では少ないといわれており、体質や遺伝のほか、環境的な要因が影響していると考えられている。デンマーク・コペンハーゲン大学ゲントフテ病院のCharlotte Giwercman Carson氏らは、子供411人を出生時から追跡した研究を分析した結果、ぜんそくにかかったことのある女性が妊娠中に飲酒した場合、その子供が7歳までにアトピー性皮膚炎を発症する可能性が高まると、8月15日付の米科学誌「PLoS One」(2012; 7: e42710)に報告した。

7歳までの発症リスク1.4倍に

 ぜんそくにかかったことがある母を持つ、1998年8月~2001年12月にコペンハーゲン地域で生まれた子供411人について、6カ月ごとに来院(アトピー性皮膚炎の状態が急に悪くなった場合は別に)してもらい、7年間追跡。妊娠中の飲酒による子供への影響を解析した。

 飲酒は、12グラムのアルコール摂取を「1回」(ビール350ミリリットル、ワインのグラス1杯に相当)と定義。母親の26%が妊娠期に飲酒しており、平均飲酒量は妊娠初期で週1.55回、妊娠中期で週1.44回、妊娠後期で週1.51回だった。411人のうち177人(43%)が7歳までにアトピー性皮膚炎を発症し、母親の飲酒率は発症した子供で31%、発症していない子供で23%だったという。

 発症年齢による分析の結果、妊娠中の飲酒は全期間を通して子供のアトピー性皮膚炎発症の増加に関連しており、母親が妊娠中に飲酒していなかった子供と比べ、7歳までの発症リスクは1.44倍だった。母親の喫煙習慣や教育、アトピー性皮膚炎を除いて分析しても結果は変わらなかった。

さらなる研究が必要

 今回の研究では、全ての母親にぜんそくの既往があり、全ての子供が在胎35週以上で、先天異常や全身疾患、人工呼吸器の使用歴や下気道感染のない人を対象としていた。そのためCarson氏らは、特定の集団で得られた関連であり、この結果をそのまま他の集団に当てはめることはできないと断っている。

 同氏らによると、飲酒によって免疫をつかさどる「ヘルパーT細胞」などに変化がもたらされるという。しかし、妊娠中の飲酒が子供のアトピー性皮膚炎リスクを高める仕組みについては不明であり、今後の研究課題としている。

(編集部)

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