2012年09月18日 11:24 公開

ω3脂肪酸は死亡率や心臓病を改善せず、20研究を解析

日本人約2万人含む6万9,000人が対象

 エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などω(オメガ)3脂肪酸は、欧米では中性脂肪の低下、心筋梗塞などの心血管疾患リスクの改善を目的とした使用が認められている一方、改善効果について疑問符が付けられていた。ギリシャ・イオアニナ大学のEvangelos C. Rizos氏らは、ω3脂肪酸を対象とした20研究を解析し、治療薬、サプリメント(栄養補助食品)、食事によるω3脂肪酸の摂取は死亡や心血管疾患リスクを改善させていなかったと、9月12日付の米医学誌「JAMA」(2012; 308: 1024-1033)発表した。

プラセボ効果や摂取量による差もなし

 Rizos氏らは、2012年までに報告された研究を検索し、全ての理由による死亡(全死亡)、心臓病による死亡(心臓死)、突然死、心筋梗塞または脳卒中の発症についてω3脂肪酸の効果を評価した研究を選出。20研究(対象者計6万8,680人)が解析対象となった。そのうち15研究(4万9,134人)は欧州系だったが、最も大きな研究は日本人1万8,645人を対象としたJELIS試験だった。

 食事指導をベースにした2研究以外はω3脂肪酸の治療薬・サプリメントを使用しており、平均摂取量は1日1.51グラム、治療期間は2年(中央値、最大6.2年)。13研究では、ω3脂肪酸を心血管疾患の再発予防に使用していた。

 死亡は7,044人(心臓死3,993人、突然死1,150人)、心筋梗塞の発症は1,837人、脳卒中の発症は1,490人だった。

 これらの研究をメタ解析した結果、ω3脂肪酸摂取と各死亡や発症の間に統計学的に顕著な関連は認められなかった。

 また、プラセボ効果(偽薬効果)や摂取量、心血管疾患のリスクが高い場合でも改善効果に差が認められなかったことから、Rizos氏らは「ω3脂肪酸を日常診療に使ったり、治療ガイドライン(指針)で食事による摂取を推奨したりするための根拠は示されなかった」と結論付けている。

(編集部)

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