2012年09月24日 09:52 公開

妊婦の長時間労働で胎児の発育が遅延か オランダ研究

 オランダ・エラスムス大学医療センターのAlex Burdorf教授らは、妊娠中に長時間労働をすると胎児の発育が抑制される可能性があると、英医学誌「Occupational and Environmental Medicine」(2012; 69: 543-550)に発表した。出生時の子供の頭囲が、平均と比べて小さかったという。

「妊娠中の労働には注意が必要」

 Burdorf教授らは、2002~06年にオランダの妊婦4,680人を対象に妊娠初期(1~12週)から胎児の発育を評価。また、妊娠中期(13~24週)にアンケート調査を行い、妊婦の労働条件と仕事の肉体的負担を調べた。肉体的な負担については、重い物を持ち上げる作業、長時間の立ち仕事や歩き仕事、夜勤、長時間労働の有無を確認し、妊娠の全期間中、定期的に超音波検査を行って胎児の発育を記録した。

 アンケート調査の結果から、38.5%が長時間の立ち仕事に、45.5%が長時間の歩く仕事に従事していることが分かった。一方、仕事で重い物を持ち上げる必要があった人は6%にすぎず、夜勤のある仕事に従事していた者も4%程度だった。

 労働と胎児の発育との関連を検討した結果、肉体的な負担の大きい仕事や長時間労働と発育遅延、低出生体重、早産との間に一貫した関連は認められなかった。また、妊娠36週程度まで働いた場合でも、胎児の発育に有害な影響は認められなかった。

 しかし、妊娠中に販売員、保育士、教員など長時間の立ち仕事に従事した妊婦では、子供の出生時の頭囲が平均より短く、発育遅延が示唆された。

 妊婦の約半数(47.5%)は週25~39時間、4人に1人(23%)は週40時間以上就労していたが、労働時間が週40時間以上の妊婦から生まれた子供では、週25時間未満の妊婦から生まれた子供と比べて、頭囲が平均1センチ短く、出生時体重が平均148~198グラム低かった。

 今回の研究結果について、Burdorf教授らは「一般に、働いている女性の方が妊娠合併症や先天異常、死産のリスクは低いとされているが、妊娠中の労働にリスクがないわけではないので、注意が必要だ」と指摘している。

(編集部)

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