2012年09月27日 16:03 公開

タンパク尿放置しないで、重症化で人工透析も

腎機能障害起こす恐れ

 健康診断でタンパク尿を指摘される人が増えているが、自覚症状がないため放置する人が多い。その結果、腎機能障害・低下を起こすケースが後を絶たない。後手に回らないためには、精密検査を受けることが重要だ。

腎臓以外の病気でも

 順天堂大学医学部(東京都)腎臓内科の富野康日己教授は、タンパク尿について次のように話す。「これは、文字通り尿中にタンパクが現れる状態です。運動した後や発熱後などに一過性にタンパクが出る生理的なケースもありますが、病的なケースでも自覚症状がないため放置していることが多く、原因疾患を見逃しやすいのです」

 主な原因疾患には、糸球体や尿細管など腎臓内の異常のほか、骨髄腫や膀胱(ぼうこく)の腫瘍など腎臓外の病気もある。

 「腎臓外の病気は他の症状が出るので気付きやすいのですが、問題はタンパク尿しか出ない腎臓内の異常のケースです。症状がないので軽く見ていると、タンパク尿がたくさん出て低タンパク・低アルブミン血症となり、ネフローゼ症候群になりかねません。さらに悪化すると腹水や胸水がたまり、全身性のむくみが生じて呼吸困難になるといった症状が出てきます」(富野教授)

初期なら生活改善

 こうした症状を自覚してから医療機関を受診する人もいるが、重症化している場合は治療に人工透析が必要になる。そうなる前に、タンパク尿を指摘された段階で適切に対応すべきだ。

 「尿検査でタンパク尿が陽性で1+(プラス)、あるいは2+と指摘された段階で、腎臓内科を受診して精密検査を受けてください」(富野教授)

 診断では通常、朝一番の尿、外来受診時の尿、24時間ためた尿の一部持参など尿検査を繰り返すとともに、血液検査が行われる。また、タンパク尿と血尿が一緒に認められる場合には、腎炎の可能性が高いので腎臓の組織を採取して調べる腎生検が行われる。

 「初期のうちに発見すれば、食事療法と運動療法でタンパク尿の進行は抑えられます。食事療法は、タンパク質の摂取を控えることや減塩などに注意するのが基本です。運動量に関しては、個人の腎機能の状態とも関係するので、受診している医師とよく相談して取り組んでください」と富野教授はアドバイスしている。

(編集部)

2010年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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