2012年09月28日 16:03 公開

知らないと死亡することも「再発性多発性軟骨炎」

耳や鼻などの軟骨に炎症

 体を守る免疫が自分の組織や細胞を攻撃する自己免疫疾患の一つに、再発性多発性軟骨炎という病気がある。2009年に厚生労働省の研究班が239の症例を対象にその臨床像と治療実態に関する全国疫学調査をまとめ、病態が明らかになってきた。この病気を知らないために発見が遅れ、死亡するケースもあるという。

ぜんそくと誤診も

 研究班に加わった聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター(神奈川県)の岡寛・副センター長は再発性多発性軟骨炎について次のように話す。「耳や鼻の軟骨をはじめ、全身の軟骨に炎症を起こし壊していくのです。最初の症状は耳介の軟骨が最も多いのですが、再発を繰り返しているうちに気管や喉頭(喉仏)の軟骨が侵されて窒息死する危険性もあります」

 実際、今回の調査で22人(9%)が死亡しているが、すべて急性の呼吸器不全か肺の感染症だという。死亡に至るケースの大きな要因が、この病気があまり知られていないこと。実際に耳の軟骨に炎症が生じた場合、耳鼻咽喉科を受診しても発見が遅れる場合もある。

 「気管や喉頭の軟骨に炎症が生じても、ぜんそくと同じような症状であるため、ぜんそくと診断されるケースが少なくありません」(岡副センター長)

リウマチ科受診を

 ぜんそくの治療を受けても症状が改善しないばかりか、気道の軟骨がつぶれて死に至りかねない。

 「今回、122人(51%)に気管の炎症など気道病変の合併が認められています。最悪の事態を避けるには、まず再発性多発性軟骨炎という病気があることをしっかりと理解し、早期発見を心掛けるべきです」(岡副センター長)

 それには耳や鼻の軟骨が腫れて痛む、あるいはぜんそくの治療を受けていても症状が改善しないときには、この病気を疑ってリウマチ科を受診するとよい。診断では患部の組織検査が行われる。

 「治療にはステロイド薬と免疫抑制剤を用いるのが基本です。それによって159人(67%)が改善しています」(岡副センター長)

 この病気は子供から高齢者にまで見られるが、最も多いのは50~60歳代。特にこの年代では、こういう病気があることを頭に入れておくことが重要だという。

(編集部)

2010年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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国立感染症研究所 感染症情報センターより