2012年10月05日 17:25 公開

目玉にできる眼球がん (希少部位のがん4)

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見えにくい視野が欠ける、眼底検査で発見可能

 目にもがんはできる。数は少ないが、できる部位によって種類は異なる。がん研有明病院(東京都)眼科の辻英貴部長に、眼球にできるがんについて聞いた。その多くを占める、ぶどう膜の悪性黒色腫(メラノーマ)では、見えにくいとか視野が欠けるなどの症状が出るという。

子供にもできる

 目でがんができる部位は、眼球、その周りの粘膜の結膜、眼瞼(がんけん)と呼ばれるまぶた、眼球が収まるくぼみの眼窩(がんか)だ。

 眼球のがんには、大人にできるものと子供にできるものがある。子供のがんは、乳幼児に見られる網膜芽細胞腫がほとんどで、網膜の元となる網膜芽細胞に異常が起こって発生する。この病気にかかった子供の目を観察すると「白く輝いて見える」という。「抗がん薬や冷凍光凝固などの方法を用いて治療することで、完治が望めます」と辻部長。

 瞳孔の大きさを調整している虹彩、眼球を覆う膜の脈絡膜、脈絡膜と虹彩をつなぐ毛様体をまとめてぶどう膜という。ぶどう膜にはメラニンという色素がたくさんある。大人の眼球のがんの多くは、そのメラニンを産出する細胞から発生する悪性黒色腫だ。

痛みはない

 ぶどう膜悪性黒色腫の症状は、物が見えにくくなったとか視野が欠けるというもの。ほかの目のがんと同様、痛みはない。

 網膜の中心にある黄斑(おうはん)近くに腫瘍が及ぶほど、症状が強く表れる。

 治療は、腫瘍が視神経に接していたり進行して大きくなったりした場合には、眼球を摘出する手術を行う。進行していない場合には、眼球の温存を目的に炭素粒子線や陽子線、小線源などによる放射線治療が選択される。ただし、こうした治療ができる医療機関は限られている。

 辻部長は「眼球のがんは、目に症状が表れるので初期の段階で気付きやすい。がんも眼底検査で発見が可能なので、おかしいと思ったら早めに眼科を受診するといい」と助言している。

(編集部)

2010年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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