糖尿病治療のおはなし
2012年10月12日 15:00 公開

インスリン治療中の患者さんの声

患者さんの声<1>

 システム会社の営業職で忙しい日々を送っていた菅沼さん。お客さんとの付き合いで深夜まで飲酒し、ラーメンを食べるという生活を繰り返していたそうです。体調の異変に気付いたのは、2010年末。体重が減り、いくら水分を取っても喉の渇きが止まらず、尿意のため夜中に必ず起きていたといいます。

 水分を取る量が多くなって、夜中に起きるだけでなく、会議も1時間程度しか我慢できなかったんです。そこへ2011年3月の東日本大震災が起き、水が手に入りにくくなりました。もともと甘い飲み物が好きなので、水代わりにずっとジュースを飲んでいたんです。すると、体調がもっと悪化しました。最初は頻尿を疑って薬を飲んだけど治らない。次にドライマウスかと思って専門の外来を受診したんですが、これも違う。ネットなどを調べてどうも糖尿病らしいということに気付き、風邪をひいていたこともあって、2011年5月に専門医のいる診療所を訪れました。

 1週間後に血液検査の結果から、糖尿病と診断されました。目の前が真っ暗になるほど絶望しましたよ。何せ、自分には縁のない重い病気と考えていましたから。実際、前年4月に受けた健康診断では、血糖値が60~70ミリグラム・デシリットル(mg/dL)、ヘモグロビン(Hb)A1cが6.0%程度だったんです。糖尿病と診断されたのもショックでしたが、血液検査の結果もそれぞれ498mg/dL、13.7%と衝撃的な数値でした。先生に「普通なら動けない、もしくは昏睡(こんすい)状態になっているはず」と言われたくらいです。

 診断された日に、飲み薬のメトホルミンとインスリングラルギン10単位を注射するよう言われました。自分で自分の体に針を刺すというのはとても恐ろしかったんですが、実際にやってみるとそれほど痛くありませんでした。それよりも、体が楽になったのと夜中にトイレで起きないでぐっすり眠れたので、「インスリンってすごいなあ!」という感動の方が大きかったですね。

 診断されたのを機に忙しくない部署に異動させてもらい、禁酒して食生活を改めました。といっても暴飲暴食をやめて、少しだけヘルシーなメニューを決まった時間に食べるようにしただけです。運動も、ダイエットDVDを見ながら自宅でやる程度ですが始めました。こうしたことも相乗効果になってか、治療開始から1カ月で8単位、翌々月には6単位というふうに順調に投与量が減っていき、現在は2単位。先生には今夏中に離脱できるだろうと言われています。

 インスリンが離脱できたら......すでに旅行も行ってるし、今年3月には大好きなお酒も解禁しましたし、やりたいことといったら営業職に戻ることですね。まだ怖いので離脱してから少し時間がたってからですが、きついけれど営業はやっぱり面白いんです。1年余りでその可能性が見えるほど回復できたのは、すぐにインスリンを使うよう勧めてくれたからではないかと思っています。ほかの病院に行って検査結果が出るまでに数カ月かかり、飲み薬だけで治療を始めていたら、と思うと恐ろしくなります。先生には本当に感謝しています。

(この患者さんは東京・蒲田のしんクリニックに通院されている方です)

患者さんの声<2>

 漫画家として活躍し、現在は専門学校の教員も務めている飯塚隆史さん。世間の漫画家のイメージと異なり、規則正しい生活をしていたにもかかわらず、2009年頃から健康診断で糖尿病の疑いがあると指摘されていました。そのときから手足のむくみやしびれを感じていましたが、急激な体重の減少に違和感を覚えて受診したのは2010年1月。病院に勤務する臨床検査技師の奥さんの勧めもあってのことだそうです。

 私は身長が180センチあるんですが、体重が90キロ台でしたので、少しダイエットしようと炭水化物を多少抜いたところ、75キロまで減りました。それが2009年頃。当時はダイエットが成功したと喜んでいました。ところが、ダイエットをやめても体重が減り続け、2011年には59キロにまでなってしまったんです。健診で疑いが出ていたし、手足のむくみやしびれもある。糖尿病になった友達の話を聞いていたので、これは糖尿病だと確信しました。受診したのは、妻にしつこく勧められたことも大きかったですね。

 検査の結果、血糖値が318ミリグラム・デシリットル(mg/dL)以上、ヘモグロビン(Hb)A1cは12%で立派な糖尿病でした。即入院を勧められましたが、仕事が休めないのでインスリングラルギン10単位と飲み薬のミグリトールで治療することなりました。

 昔から注射には抵抗感がなく、インスリン注射もすんなり受け入れることができました。痛みを感じる痛点のことを知っていたので、おなかの皮をつまんで針を軽く当て、痛くないところへ垂直に注射する。この方法で、現在までストレスなくインスリン注射を続けています。インスリンの量も今は8単位まで減りました。

 私は家族に糖尿病患者がおらず、酒もたばこもやらない。糖尿病になる以前から毎日3食、カロリーがそれほど高くない食事をし、朝6時に起きて夜11時には就寝しています。糖尿病になった原因で思い当たることといえば、2009年頃に脂肪肝になったくらい。何もしていないのに、膵臓(すいぞう)から一方的にストライキを受けた気分です。

 とはいえ、糖尿病になった友達からは「目の血管が破裂した」「腎臓がおかしくなって透析を受けている」などの怖い話を聞いていたので、早いうちにインスリンを打っておいて本当によかったと思います。

(この患者さんは東京・蒲田のしんクリニックに通院されている方です)

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