2012年10月30日 17:25 公開

神経ブロックに新展開、超音波画像で的絞る

正確・安全に痛み緩和

 神経ブロック療法は手術時や痛みの治療に用いられるが、最近は超音波によって画像を見ながら行う「超音波ガイド下神経ブロック療法」が普及しつつある。駿河台日本大学病院(東京都)の小川節郎院長(麻酔科)は、これによって神経ブロックをより正確にしかも安全にできると説明する。

麻酔薬を注射

 神経ブロック療法は、末梢(まっしょう)神経の周囲に麻酔薬を注射して、その支配領域の痛みを緩和する治療法。手術時の局所麻酔や、椎間板ヘルニア(関連記事)、帯状疱疹(ほうしん)後神経痛(関連記事)などによる痛みの緩和に用いられる。

 「従来は触診や電気刺激によって麻酔薬の注入ポイントを探っていたのですが、超音波ガイド下神経ブロック療法によって神経の画像を直接見ながら治療できるので、神経ブロックをより正確に安全にできるようになってきました」(小川院長)

 神経だけを麻酔薬でブロックできるので、血管や他臓器を傷つけなくて済む。また、手術後の痛みの緩和にも役立つという。

時間や費用にもメリット

 さらには、治療時間や費用の面でも有用性が高いことも特徴だ。「肩の腱(けん)断裂を例に取ると、従来は磁気共鳴画像診断(MRI)によって部位を特定した後に麻酔薬を注入していたのですが、予約してMRI画像を撮るため待ち時間と高額な医療費が必要になります。この療法ならその場で神経をブロックできるのです」(小川院長)

 難点は機器が高額なため、まだ小さな病院では普及していないこと。小川院長は「大学病院など大きな病院の麻酔科を中心に普及しつつあるので、問い合わせてみるとよいでしょう」と勧めている。

(編集部)

2010年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)