2012年11月01日 17:25 公開

心臓手術後のリハビリ―寝ていないで座る、立つ、歩く

安静だと心機能衰退

 心筋梗塞など心臓病の手術後に必要なのが心臓リハビリテーション。心臓が弱っているからといって寝ていると、心機能が低下して体力も衰える。国立国際医療研究センター病院(東京都)リハビリテーション科の藤谷順子医長は、自分の心機能と体力に合ったリハビリを行うことが健康回復につながると解説する。

徐々に距離延ばす

 心臓の手術後数日は安静にして心臓をいたわりたいと思いがちだ。しかし「手術後安静にし過ぎると心機能が回復せず、その結果体力そのものも衰えてしまいます。手術が順調なら、手術の跡が痛んでもリハビリを積極的に行うべきです」と藤谷医長は指摘する。

 基本は、体力に合わせて手術翌日にはベッドに座りその翌日には立ち上がる。そして手術後3日目には歩く練習をする。

 「1日数回トイレまで歩き、翌日には病棟を1周するといった具合に、距離を延ばしていくと効果的です。その後は、自転車こぎなど器具を利用したリハビリを行うとよいでしょう」(藤谷医長)

再発率低下の報告も

 早くベッドを離れ、心臓リハビリを行うことのメリットは

  1. 心機能の回復
  2. 脚の筋肉の衰え予防
  3. 消化器の働きを順調にする
  4. 血管再狭窄(きょうさく)の予防
  5. イレウスや肺炎など合併症の予防
  6. 退院後の社会復帰を早める

―など数多い。

 「退院後も運動の習慣を付けることで、突然死や再発の予防につながるので、医師と相談しながら体力に合わせた運動を続けるとよいでしょう」(藤谷医長)

 心筋梗塞などの心臓病は中高年に多く、運動は速足で歩くなどの有酸素運動が適している。

 藤谷医長は「心筋梗塞の治療後に1日40分ほどの速歩を週に4回行った人は、そうでない人に比べて再発率が低いという報告など多くの論文が発表されています」と運動の意義を強調している。

(編集部)

2010年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)