2012年12月04日 11:47 公開

子供の食物アレルギー、発育考え除去は最小限に

負荷試験受けて

 食品に含まれる特定のタンパク質に対してアレルギー反応を起こし、いろいろな症状が表れる食物アレルギー。国立病院機構相模原病院(神奈川県)臨床研究センター・アレルギー性疾患研究部の海老澤元宏部長は、0~1歳までの子供に最も多く見られると指摘する。

卵や乳製品など原因

 子供は、食品のタンパク質を十分に分解できないまま体に吸収することがある。そのタンパク質が〝異物〟と認識された場合、それを排除する免疫反応によって食物アレルギーが起こると考えられている。

 「食物アレルギーの原因になる食品は、鶏卵、乳製品、小麦、甲殻類などさまざまです。これらを年齢別に見ると、乳幼児では鶏卵が最も多く、次いで乳製品と小麦が続きます。これが大人になると甲殻類が多くなるのです」(海老澤部長)

 食物アレルギーでは、じんましんやかゆみなど皮膚や粘膜の症状のほか、腹痛、嘔吐(おうと)、下痢などの消化器症状、くしゃみや鼻水、ヒューヒューゼイゼイという呼吸音(喘鳴=ぜんめい=)などの呼吸器症状も見られる。場合によっては、全身に急激なアレルギー症状が表れる「アナフィラキシー」が起こることもある。

年齢上昇で治る例も

 「治療では原因となる食物を特定し、それを食べないようにする食物除去が基本です。ただし、食物除去は子どもの発育のためにも必要最小限でなければいけません。症状が表れた場合は、アレルギー症状を抑えるために薬物による治療も行います」(海老澤部長)

 治療では原因となる食物を特定し、治ったかどうかも判断する食物負荷試験が重要だ。海老澤部長が代表世話人を務める食物アレルギー研究会では、食物負荷試験を実施している全国の医療施設を公式サイトに掲載、情報提供している。

 乳幼児の食物アレルギーは、年齢が上がるにつれて治っていくことが多い。このため定期的に食物負荷試験などの検査を受け、自己判断で過剰な食物除去を行わないことが子供の発育には重要だ。

(編集部)

2011年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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