2012年12月07日 11:47 公開

子供の近視が増加、携帯電話・ゲーム機の普及が要因に

使用は短時間、目から離して

 携帯電話や携帯ゲーム機の普及に伴い、子供の近視が増えている。文部科学省の調査では、裸眼視力0.3未満の小学生は、2009年には1975年に比べると3倍近くに達している。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の大野京子准教授(眼科学)は「子供の近視は適切に対応しないと強度近視につながり、成人後の失明の原因にもなります」と警鐘を鳴らしている。

屋外の活動減も影響

 近視とは、角膜の頂点と網膜の中央までの長さ(眼軸長)が伸びてしまい、光が網膜よりも手前で像を結び、遠くが見えにくくなる状態を言う。原因は解明されていないが、遺伝と環境が要因になっている。

 「日常生活で近くを見る作業が増え、屋外での活動が減っていることが近視増加の環境要因と考えられます。ことに携帯電話や携帯ゲーム機など、非常に画面の小さいものを目から近い距離で長時間、集中して見るのは目に大きな負荷を掛けることになり、近視を悪化させる要因となります」(大野准教授)

 子供の場合、体の成長とともに眼軸長も伸びる時期に当たるので、成長期の早い時期に近視が始まると、大人になったときに強度の近視になる可能性がある。

眼鏡使わないと進行

 強度の近視とは、屈折度の単位であるジオプトリー(D)でマイナス8Dを超えるもの。裸眼でピントの合う位置が、顔から12センチより手前になる状態だ。強度近視は近視性網膜脈絡膜萎縮や眼底出血、緑内障などの原因となり、失明に至ることもある。日本における成人の失明原因の2位は強度近視だ。

 近視の発生が早く、その頻度が高いほど強度近視に移行する可能性があるので、「子供の時に、いかに近視の進行を抑えるのかが大切」と大野准教授。携帯電話や携帯ゲーム機の使用は短時間にし、目から30センチ以上離して明るい場所で使う。屋外活動も近視予防に有効だという。

 子供の眼鏡使用をためらう親もいるが、「裸眼でぼやけた像を見ることは、近視をさらに悪化させます。成長期の子供であれば、眼科で適切な眼鏡を処方してもらい、1年に1回は作り変えるとよいでしょう」と大野准教授は助言している。

(編集部)

2011年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)