2012年12月10日 11:47 公開

産後うつ病、出産後女性の15~20%で発症

憂鬱で物事に興味湧かない

 産後うつ病は、出産後の女性が憂鬱(ゆううつ)な状態や何事にも興味が持てないといった状態が2週間以上続く病気。昭和大学付属烏山病院(東京都)精神科の平島奈津子准教授は「重症化すると、赤ちゃんを虐待するなどの危険性もあります。治療を受けてください」と話す。

育児環境も誘因

 産後うつ病とは産後4~6週間以内に起こるうつ病を指すが、それより長い産後3カ月以内に起こるうつ病も含めることも多い。憂鬱な気分、あるいは何事にも興味や関心が持てないといった状態が続くのが特徴。子育てについて悲観的になり自分を責める。

 一方、いわゆるマタニティーブルーは、産後3日目ぐらいから起こり、涙もろさ、憂鬱、いらいらなど、うつ病と似た症状が表れた後、2週間以内に治まる生理的な現象。うつ病ではないが重い場合はうつ病に移行することもある。

 産後うつ病は、急激なホルモンバランスの変化と母親の置かれた育児環境が発症の誘因と考えられている。産後女性の15~20%に起こる。単なる産後の疲れなどと見逃されるケースも多いが治療が必要だ。重症化すると、育児への気力がなくなるばかりでなく、虐待などの深刻なケースにつながる危険もある。

子育て分担で発見

 治療は、一般のうつ病と同じで抗うつ薬による薬物療法と認知療法などの精神療法が基本。認知療法とは、物事を悲観的にとらえる患者に他の考え方もあるということを気付かせる方法。軽い場合は精神療法だけで済むが、薬物療法が中心になる場合が多い。薬の成分が母乳を通して乳児に吸収されないように断乳の必要がある。

 平島准教授は「夫が妻のうつ病に気付かないことがあるが、子育てを分担していると気付きやすい。産婦は悩みを抱え込まずに、家族、保健師、産婦人科医、心療内科医、小児科医らに相談すること。過去にかかったことがある人は、妊娠中から主治医に相談しておくとよいでしょう」と助言している。

(編集部)

2011年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)