叶和貴子さんインタビュー(関節リウマチとの闘い)(2)

2012年12月10日 15:01 公開

叶和貴子さんインタビュー(関節リウマチとの闘い)(2)

第2回:芸能活動休止、家族との衝突…

――芸能活動を一時休止しようと決意したきっかけは?

 これが終われば休もうと決めたのが、名古屋での公演でした。昼と夜の2部構成で、片や平安時代の姫君役、片や江戸の町娘役。長袴をはいて重いかつらを着けての立ち座りなどは、関節への負担も大きかったですね。下駄の脱ぎ履きを楽にするためにベビーパウダーをはたいたり...。衣装さんも着物に面ファスナーを付けてくれるなど、なるべく負担が少なくなるよう工夫をしてくれました。

 舞台上でもどこかにつかまりながらやっと立っていたので、毎回、幕が下りて楽屋に戻ると倒れ込むような状態。「舞台の出演に穴を開けることなくやり通したら休もう」と、気力で乗り切っていました。無事、千秋楽を迎えた後、芸能活動を休止したんです。

――休止期間中の過ごし方は?

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 これまで無理を重ねた反動もあって、休んだ途端、足腰が立たなくなりました。朝、ベッドから起き上がるのに30分もかかるほど。体のどこもかしこも痛いので、どの部位を使えば起きられるかを試すのに、それくらい時間が必要なんです。何とか起きて少しずつ動いているうちに血流が良くなるからか、少しずつ動ける。痛みは体のあちこちに起きるので、今日は手だと思ったら次の日は肩だったり、膝だったり。物をつかもうとしても手に力が入らず、服の脱ぎ着にも困ったし、家の中を歩くのも壁伝い、自分自身という存在の全てが痛い、そんな感覚でした。

 横になっていても痛いので、就寝前に鎮痛薬を飲んで何とか4~5時間は痛みから解放されて眠れる...。我が身に降り掛かるとは想像もできなかったようなことが、一気に押し寄せてくる毎日でした。

 私の体は一体どうなってしまうのだろう? という不安に襲われました。テレビをつけてもドキュメンタリー番組だけで、ドラマは一切見ませんでしたね。ほんの少し前までは舞台に立ってお芝居をしていたのに、今は家の中で伝い歩きしかできない...その落差はとても大きく、疎外感や孤独感でいっぱいでした。

 当初は「なぜ自分だけが」とただ嘆いていました。こんなに痛いのに誰も分かってくれない、一番身近な家族、母でさえも、私のつらさが分からない。でも、家族もどうしていいのか分からなくて大変だったんですよね。

 休業1年目は、リウマチと私と家族のぶつかり合いでした。母が外出しようと誘ってくれるのですが、人目につくのが嫌でなるべく人のいない道を選ぶ。また、まだ若いのにつえなど突きたくないから、歩くときは傘をつえ代わりにしていました。母と同じペースで歩けないことが悔しくて、何で先に行っちゃうの! とわざと歩みを遅めたり...今思えば駄々っ子のようでしたね。

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