2012年12月12日 11:47 公開

手首が痛くなるキーンベック病、構成する骨が壊死

握力がなくなることも

 キーンベック病をご存じだろうか。手首の甲側に生じる病気で、発症率は決して少なくない。「手や腕の異常を訴えて受診する100~120人のうち1~5人に見られます。どんな病気なのかを知ってほしい」と東京慈恵会医科大学整形外科の千野博之氏は話す。

10~50歳の男性に多い

 キーンベック病は、手首を構成する手根骨の一つである月状骨が血行不良になり壊死(えし)する病気。「原因はよく分かっていませんが、月状骨に繰り返し外力がかかって起こるとも考えられています。男女比は4対1で男性に多く、10~50歳の年齢層を中心に見られますが、50歳以上の患者さんもいます」(千野氏)

 主な症状は手首の甲側の圧痛で、特に手首を反らすときに痛む。また、握力も衰える。ひどくなると握力が全くなくなるという。

 「こうした病気があることを理解し、症状を自覚したときには早期に整形外科を受診すべきです。診断はレントゲン検査でもつきますが、磁気共鳴画像装置(MRI)による検査の方がより精度が高いのです」(千野氏)

進行したら手術

 人によって進行は異なるが、初期の段階では固定装具を用いて手首を固定し、月状骨への栄養の回復を待つ。進行して日常生活に支障を来す場合は、手術が基本になる。

 「手術の目的は三つあります。一つは痛みを取る、二つ目は握力を回復する、三つ目が関節の変形を防ぐことです」(千野氏)

 このため進行具合によって、月状骨にかかっている圧力を逃がす手術や、月状骨を除去して代わりの骨を入れる手術などいろいろある。千野氏は「それぞれの手術法に一長一短があるので、医師とよく相談して自分の病態に合った方法を選択するように」と勧めている。

(編集部)

2011年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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