2012年12月13日 11:47 公開

外れた顎の治療法、初期なら装具療法で改善

自分では戻せず再発も

 高齢者は顎(がく)関節脱臼を起こしやすい。加齢とともに顎の関節の締まりがなくなるためだが、一度起こると再発を繰り返すことがある。注意すべきことを、昭和大学歯学部(東京都)口腔(こうくう)外科の新谷悟教授に聞いた。

気付きにくい

 顎関節脱臼は、いわゆる「顎が外れる」という状態だ。どんな年齢層にも見られるが、特にお年寄りに多い。

 「顎の関節が外れると痛みが生じ、受け口になって前歯で食べ物をかめません。ただ、口は大体2センチほどは開くので、高齢者は自覚しにくいようです。また、総入れ歯だと家族の人も気付きにくく、見逃しやすいのです」(新谷教授)

 偶然、関節が元に戻るケースもあるが、通常は自分では戻せない。そのまま放置していると陳旧性といって、関節が外れたまま固まってしまうこともある。また、偶然元に戻っても、再発を繰り返しやすくなる。

食べ方に注意

 頻繁に再発を繰り返したり陳旧性になったりすると、日常生活に大きく影響するばかりか、治療でも手術が必要になる。

 「初期の段階なら、顎の関節を元に戻して口を開きにくくする弾性包帯や、チンキャップという装具を1~2週間着けると改善します」(新谷教授)

 お年寄りは、顎の関節の靱帯(じんたい)などが衰えて締まりが悪くなるため、関節を外しやすい。早期発見するには、家族や介護している人はそれを念頭に置き、日頃から食べ方に注意するのが第一だ。

 「前歯でかめない、口をぼんやりと開いている、あるいは総入れ歯でいつもより入れ歯が外れるといったことに気付いたときは、顎関節脱臼の可能性があるので、早めに口腔外科を受診すべきです」(新谷教授)

 治療後は、再発予防のために日常生活であくびなどで口を大きく開けない方がよいという。

(編集部)

2011年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)