2012年12月14日 13:22 公開

一人暮らしではなく"孤独と感じること"が認知症リスクに

オランダ研究

 先進国を中心に世界的な高齢社会を迎え、問題となっているのが認知症の増加。その発症原因の一つとして、一人暮らしや人間関係の希薄さが指摘されている。つまり"独居老人"が増えれば、認知症患者も増加するという悪循環に陥るというのだ。こうした中、一人暮らしではなく「孤独と感じること」が認知症のリスクになることが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センター精神科のTjalling Jan Holwerda氏らによって、12月10日発行の英医学誌「Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry with Practical Neurology」(電子版)に報告された。(関連記事

2割が「孤独感じる」

 一人暮らしや未婚、人間関係が希薄などの「社会的孤立」は、肥満や2型糖尿病などの生活習慣病、身体機能低下、うつ病などとともに、認知症の発症に影響することが報告されている。

 Holwerda氏らは、オランダに住む認知症を発症していない高齢者2,173人(65~86歳、男性36.9%)を対象に、孤独感や社会的孤立(一人暮らし、未婚、社会的支援なし=家族、近隣、施設からの援助なし)と認知症発症の関連について検討した。

 研究に登録したときの独居者は1,005人(46.2%)、未婚または早々に離婚した人は1,100人(50.6%)、社会的支援を受けていない人は1,590人(73.2%)。「孤独を感じるか」という質問では、433人(19.9%)が「感じる」または「非常に感じる」と回答した。

独居、未婚・離婚、社会的支援なしは関連せず

 3年間の追跡の結果、一人暮らしのグループはそうでないグループに比べて認知症発症率が1.66倍高く、未婚または早々に離婚したグループも既婚グループに比べて1.74倍高かった。さらに、社会的支援を受けていないグループも、受けているグループに比べて2.0倍、「孤独を感じる」と回答したグループは、そうでないグループに比べて2.4倍高いことが分かった。

 心臓病やうつ病などによる影響を除外した認知症発症リスクは、孤独を感じる人では孤独を感じない人の1.64倍だったものの、一人暮らし、未婚または早々の離婚、社会的支援なしでは、いずれも認知症との関連は認められなかった。

 以上の結果から、Holwerda氏らは「認知症発症には一人でいるということより、自分が孤独だと感じることが強く影響している」と指摘。一方で、両者がなぜ関連するのかは不明なため、認知症は孤独だと感じた結果として起こるものなのか、それとも認知力が低下したから孤独感を抱くのか、検討する必要があるとしている。

 日本は超高齢社会に加えて核家族化が進み、一人暮らしの高齢者が増加している。しかし、一人暮らしだから孤独を感じるわけではないようで、日本より高齢者の独居率が高いスウェーデンでは、多くの高齢者が孤独を感じていないという。これは、一人暮らしをしていても家族と会う頻度が高いからではないかとされている。

(編集部)

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