2013年01月11日 11:47 公開

匂いを感じない嗅覚障害、副鼻腔炎など原因に

風邪の後にも起きやすい

 花の香りが感じにくくなった、食事の時に匂いがしない―など、匂いを正しく認識できない状態を嗅覚障害という。東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科の大櫛哲史氏に原因や治療について聞いた。

アレルギー性鼻炎も

 匂いのもとが鼻の最も奥にある嗅粘膜というセンサーを刺激すると、その信号が神経に伝わって脳で認識される。この経路のどこかに異常があると、匂いが正しく感じられなくなるという。

 嗅覚障害の原因で多いのは、第1に慢性副鼻腔(びくう)炎やアレルギー性鼻炎などの炎症によって、匂いの通り道がふさがり、センサーに届かない例。2番目は、風邪などのウイルスによってセンサーの働きが損なわれる例。病気の最中に嗅覚障害に気付く人もいれば、風邪が治った後、残った障害に気付く人もいる。3番目は、頭部外傷により神経が損なわれる例だ。

 検査では、コンピューター断層撮影(CT)や血液検査で鼻の病気があるかどうかを調べることが必要になる。

 嗅覚については、ビタミン薬を静脈注射し、匂いの感じ方で嗅覚障害の有無を見る静脈性嗅覚検査や、限られた医療機関でしか行えないが、桃や靴下など5種類の匂いをそれぞれ濃度の軽い順に嗅いでもらい、障害の程度を見る基準嗅力検査が行われている。

放置で治りにくい

 治療の効果は原因や症状の程度で異なるが、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などが原因の場合、内服薬や点鼻薬、手術でその病気自体を治すと改善することがある。

 ウイルスが原因の場合には、粘膜の炎症を抑えるステロイド点鼻薬や、神経を活性化させるビタミンB12を使う。漢方薬の当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が有効なこともある。

 また、加齢の影響もあり、80歳代は半数が嗅覚が低下しているともされる。

 大櫛氏は「匂いを感じなくなったと思ったら、放っておかずに早めに耳鼻咽喉科を受診すること。どのような原因であっても、そのまま放置しておくと治りが悪くなるといわれています」と助言している。

(編集部)

2012年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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