2013年01月18日 10:18 公開

乳製品で唯一、男性の動脈硬化と関連していたものとは?

英研究

 「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロして...」という男性は少なくない。また、男性にとって乳製品は、前立腺がんになる要因の一つともされている(参考=国立がん研究センターがん情報サービス「前立腺がん」)。こうした中、男性が牛乳や乳製品を取ることと動脈硬化の関連性を検討した結果が、米医学誌「Hypertension」(2013; 61: 42-47)に掲載された。英レディング大学生命科学部のKatherine M. Livingstone氏らが、英国の住民が対象の23年間にわたる研究で明らかにしたもので、ある乳製品だけが唯一、動脈硬化の発症に関連していたという。

摂取量別にリスクを検討

 Livingstone氏らが行っている研究は、心血管疾患(心筋梗塞や動脈硬化など循環器の病気)のリスクとなる要因(危険因子)を確立する目的で、英ウェールズのケアフィリに住む45~59歳の男性2,512人を対象とし、1979年に追跡調査を開始したもの。1979~83年の第1期以降、5年間隔で評価を行っているが、今回は第1~3期のデータ(787人)を検討した。平均追跡期間は22.8年。

 食事に関するアンケート(FFQ)の結果から算出した、第1~3期における1日当たりの平均摂取量は、牛乳が308ミリリットル、チーズが18.1グラム、生クリームが1.51グラム、バターが18.5グラムだった。

 Livingstone氏らは、牛乳を摂取量別に4つのグループ(摂取しない~586ミリリットル以上)に、各乳製品単独、牛乳+チーズ+生クリーム、乳製品全体も摂取量に応じて4グループ(乳製品全体では0-296グラム~440-698グラム)に分類。それらの摂取量と第5期(2002~05年)で測定した動脈硬化の診断に必要な検査値(動脈硬化指数、脈波伝播=でんぱ=速度、血圧、脈圧、糖・脂質マーカー)との関連を評価した。

バターのみで検査値が悪化

 その結果、牛乳+チーズ+生クリームの摂取量が最も多かった群は、最も少なかった群よりも動脈硬化指数が1.8%低く、中性脂肪も血液1デシリットル当たり0.06ミリグラム低下。ともに、摂取量が多くなるにつれて低くなる傾向が認められた。

 また、牛乳の摂取量が最も多い群は、全く摂取しない群に比べて収縮期(最大)血圧が10.4mmHg低く、血糖値も1デシリットル当たり0.04ミリグラム低下しており、こちらもともに摂取量が多いほど低くなる傾向にあった。

 一方、バターでは摂取量が多くなるにつれて、インスリン分泌、中性脂肪、総コレステロール、拡張期(最小)血圧の上昇が認められた。

 今回の結果からLivingstone氏らは、牛乳の摂取量は将来の血圧に反映され、バター以外の乳製品は動脈硬化や糖・脂質代謝に害を及ぼさないと結論。バランスの取れた食事の中にバター以外の乳製品を取り入れることで、心臓を保護する働きがある可能性を示した。

(編集部)

関連トピックス

関連リンク(外部サイト)