2013年01月31日 11:00 公開

致死率10%、ダニから感染する新ウイルス性疾患に注意

厚労省が呼び掛け

SFTSウイルスを媒介するマダニの一種
SFTSウイルスを媒介するマダニの一種

 厚生労働省は1月30日、ダニを通じて感染する新しいウイルス性疾患「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に関する通達を発表した。日本で昨秋にこの病気による死亡例が1件確認されたため。SFTSは中国で2009年頃から発生が報告され、2011年に初めて原因ウイルスが特定された病気で、38度以上の発熱や消化器症状、血小板減少や白血球減少、血尿などの症状が特徴。医療機関には、一定の症状が見られる患者を診療した経験があれば保健所などに連絡してほしいと呼び掛けている。

患者血液との直接接触で感染の事例も

 SFTSは、2011年に中国で初めて原因ウイルスが特定された新しいダニ媒介性感染症。原因ウイルスはクリミア・コンゴ出血熱やリフトバレー熱などと同じブニヤウイルス科に属しており、マダニ(一般の家の中にいるダニとは異なる種類)を媒介する。

 主な症状は38度以上の発熱と消化器症状(吐き気、嘔吐=おうと、腹痛、下痢、下血など)で、重症化して死亡することもある。これまでの報告では、致死率は10%以上。国立感染症研究所が発行する「病原微生物検出情報」によると、2012年秋に確認された国内初の患者に海外渡航歴はなく、明らかなダニにかまれた跡もなかった。この患者は全身状態不良で死亡、その後、血液や病理組織からSFTSウイルスが確認された。詳しい感染経路は明らかになっていないという。

 現在の治療は対症療法のみで、ワクチンはない。また、中国の事例では、患者の血液と直接接触することで感染することも報告されている。予防法は、日本紅斑熱やライム病などと同じくマダニにかまれないことが重要で、マダニが生息する草むらややぶなどに入る場合は長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用することなどが推奨されている。

(編集部)

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