2013年02月04日 15:39 公開

肥満解消にはチームスポーツが効果的? 米高校生を調査

徒歩や自転車による通学も

 米ダートマス大学医学部のKeith M. Drake氏らは、米北東部の高校生1,718人を対象に運動と肥満との関連を調べた結果、運動部のクラブ活動などチームスポーツへの積極的な参加が効果的だったと、米医学誌「Pediatrics」(2012; 130: e296-e304)に発表した。週4日以上の徒歩や自転車による通学も、肥満リスクの減少と関連していたという。

公立高校の生徒1,718人を調査

 米国では現在、成人だけでなく青少年でも肥満が"流行病"と言えるほど増加している。米政府は子供の肥満対策として安全な通学路を整備し、徒歩や自転車での通学を奨励するために年間1億ドル(約93億円)以上の予算をかけてきた。しかし、この対策で子供の肥満が減ったことを示す十分なエビデンス(根拠となる研究結果)は得られていない。

 一方、これまでの研究で、学問や運動での性差別の禁じた1972年の「男女教育機会均等法」の施行後、女子高校生のスポーツ参加が600%増加し、運動量の増加とBMI(肥満指数)の低下につながったと報告されている。さらに、子供時代のスポーツ参加が21年後の運動量と体重にも影響を及ぼしていたという。

 今回の研究では、ニューハンプシャー州とバーモント州の公立高校の生徒1,718人(9年生=日本の中学3年生に相当=62.8%、10年生=同高校1年生=27.9%、女子51%)と、その親・保護者に対して電話調査を実施。生徒に(1)部活動など学内外でのチームスポーツ参加の有無、(2)徒歩または自転車で通学する頻度、(3)テレビやパソコン、テレビゲームなどに費やす時間、(4)食生活(ファストフード、果物、野菜の摂取量)―などを尋ねた。

 また、各自のBMIは自己申告による身長と体重から算出した。今回の研究では、BMIが上位15番目以上の人を過体重/肥満、上位5番目以上の人を肥満と定義。過体重/肥満の割合は全体の29.0%(498人)、肥満は13.0%(223人)だった。

年間3つ以上のチーム参加で効果

 その結果、過去12カ月間に全くスポーツチームに参加しなかった生徒に比べ、3つ以上のスポーツチームに参加した生徒では過体重または肥満の割合が低く、過体重/肥満のリスクは27%減、肥満のリスクは39%減だった。

 また、徒歩あるいは自転車で通学しない生徒と比べ、これらの通学手段で週3.5日超通学している生徒では肥満の割合が33%低かった。しかし、過体重/肥満の割合との間に差は認められなかった。

 さらに、生徒全員が年間2つ以上のスポーツチームに参加した場合、肥満者が26.1%減、週4日以上徒歩または自転車で通学した場合にも、肥満者が22.1%減少することが示唆された。

 Drake氏らは「高校でスポーツチームに所属する生徒では、定期的な練習と試合を通して中~高強度の運動を継続的に行うことになる。こうした点から、他の運動と比べ、高校でのスポーツ参加は効果的と考えられる」と指摘。また、「肥満予防策では運動能力のレベルに関係なく、全ての生徒でスポーツの参加機会を増やすことを優先課題とすべき」と強調している。

(編集部)

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