2013年02月06日 18:00 公開

花粉症予防にビタミンD、治療薬との併用を―2013年花粉症特集(5)

免疫調節しアレルギー反応抑える

 国民病として子供から高齢者までがかかる花粉症。命に関わる可能性は低いものの、かゆみや鼻水などのアレルギー症状は日常生活の大きな支障となる。そのためにさまざまな治療法があるが、三番町ごきげんクリニック(東京都)の澤登雅一院長が訴えるのは、ビタミンDの重要性だ。免疫を調節し、花粉によるアレルギー反応を抑えるという。澤登院長は「薬などの標準治療はもちろん重要ですが、それを補助するのがビタミンD。特に花粉が飛び始める時期は日光を浴びる機会が少ないので、食事やサプリメント(栄養補助食品)から積極的に摂取して」としている。

キクラゲに多く含まれる

 花粉症は、鼻や目の粘膜に付いた植物(主にスギ、ヒノキ)の花粉を排除しようとする体の反応。仕組みは他のアレルギーと同じで、免疫の乱れが大きく関与している。ビタミンDは骨を強くするというイメージが強いが、澤登院長は「カルシウムの調節だけでなく、免疫の調節も行っていることが分かっています。ビタミンと名付けられていますが、作用する仕組みはステロイドなどのホルモンと同じなのです」と説明する。骨やアレルギーだけでなく、風邪やインフルエンザ、がん、心臓病などを予防するという研究結果も報告されており、ステロイドと同様に"万能薬"になることが期待されている。

 体内にあるビタミンD量は8割が日光を浴びることで生み出され、日射量が減る秋から春は値が低くなる。つまり、花粉症が出始める時期はビタミンD不足の状態ということになる。夏場に日光を多く浴びることである程度"貯金"ができるようだが、近年は特に女性は日焼けを嫌って日光を浴びる機会が少ない傾向にあるため、ビタミンD不足が常態化していることも考えられるようだ。

 ビタミンDが不足する時期に食事やサプリメントで補うことが免疫調節の乱れを防ぎ、引いては花粉症の症状を和らげる―というのが澤登院長の考え。厚生労働省が勧めるビタミンDの摂取上限は、50マイクログラム(2,000国際単位)。食材ではキクラゲが100グラム当たり440マイクログラムと断トツで、キノコ類や魚介類などで多い。ただし、摂取上限は食事からのもので、日光を浴びる機会が減る時期は、食事に加えてサプリメントを活用することが勧められるという。なお、取り過ぎは高カルシウム血症や肝臓・腎臓障害、高血圧などを引き起こすため、注意が必要だ。

 澤登院長は「花粉症の症状が出ていない"火の用心"の段階ではビタミンDを取り、ひとたび"出火"したら治療薬を飲む。そして、"鎮火"すればまたビタミンDに切り替える―という方法もあります。免疫系を調節するビタミンDは、予防の観点からも勧められます」としている。

(小島 領平)