2013年02月26日 12:01 公開

転んで頭を打ったら...頭痛、嘔吐などは救急車を

2歳以下は重大な脳損傷も

 子供や高齢者は、体格やバランス感覚の不具合で転びやすく、頭を打つことがある。「転んで頭を打ったら、大丈夫かなと思っても、しばらく注意して見守る必要があります」と、日本医科大学武蔵小杉病院(神奈川県)救急医学科の畝本恭子講師はアドバイスする。

畳でも注意必要

 「頭を打って、激しい頭痛や嘔吐(おうと)、痙攣(けいれん)、意識の喪失、手足のしびれ、ろれつが回らないというような症状が表れたら、救急車を呼んで医療機関を受診してください。その場で大丈夫と思っても、念のため24時間程度は安静にして様子を見守ってほしい。その間、子供もお年寄りも、1人にしないことが大切です」と畝本講師。

 2歳以下だと、あまり強くない衝撃でも脳に重大な損傷を起こすことがある。体が回転するような動きで転んで頭を打った場合、脳を覆う硬膜とくも膜の間の血管が切れてしまう硬膜下血腫や、異常に脳が腫れてしまうびまん性脳腫脹(しゅちょう)になる可能性もあるので、畳やじゅうたんの上での転倒でも注意が必要だ。

 「年長の子供では、頭蓋骨骨折により頭蓋骨と硬膜の間に出血し、急性硬膜外血腫となることもあります。数時間症状が出ないことがあるし、子供は痛みを具体的に訴えることができないので、普段と様子が違わないか、保護者の観察が大切です」(畝本講師)

1~2カ月後に症状も

 高齢者は、加齢で血管や脳の組織がもろくなっている。転倒によってできたわずかな脳の傷でも、そこから血の塊が広がり、数時間から数日後、急激に症状が悪化して昏睡(こんすい)状態になるケースもある。また、脳と硬膜の間にゆっくりと血液のようなものがたまる慢性硬膜下血腫になり、転倒してから1~2カ月過ぎた後で、歩き方がおかしくなったり、まひによって箸や茶わんがうまく持てなくなったりする症状が表れることもある。

 畝本講師は「こうした場合、認知症を疑う前に、以前、頭を打ったことを思い出し、早めに脳神経外科の診察を受けてください」と勧めている。

(編集部)

2012年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)