2013年03月19日 19:07 公開

極端な糖質制限食「勧められない」―日本糖尿病学会

総エネルギー制限食を基本に

 糖尿病の治療だけでなく、ダイエット法としても注目を浴びている「糖質制限食」。ご飯やパンなどの糖質(炭水化物)をカットし、肉や魚などのタンパク質を中心にするという食事療法で「低炭水化物食」としても知られているが、日本糖尿病学会(理事長=門脇孝・東京大学病院長)は3月18日、極端な糖質制限食については長期的なエビデンス(科学的根拠となる研究結果)が不足していることから、「現時点では勧められない」との判断を示した。1日に取る総エネルギー量を制限する「エネルギー制限食」を基本とする方針を堅持する姿勢だ。

脂質・タンパク質取り過ぎの影響を強調

 エネルギー制限食は、1日当たりの総エネルギー量を制限する食事療法。総エネルギー量の50~60%を炭水化物から取るとされているほか、脂肪の摂取を控えめにするよう推奨している。一方、糖質制限食は炭水化物をカットするだけで、総エネルギー量を制限しない食事療法。そのため、メディアなどでは「主食さえ抑えれば好きなだけ食べられる」と報じられることも少なくない。

 今回の提言ではまず、日本人の食習慣が変わり、特に脂肪(脂質)の摂取量が増えたことで肥満や糖尿病が増加したことを強調。糖尿病患者の食事療法では、血糖値以外にも気を配る必要があると主張した。さらに、糖質制限食の研究結果を分析する中で、糖質制限だけで減量効果があるという見方を疑問視し、腎機能障害を合併している患者での有効性・安全性も確認されていないとしている。なお、タンパク質の多い食事は腎臓に負担を掛けるといわれている。

 こうしたことから、同学会は「総エネルギー摂取量の制限を最優先とする」と、エネルギー制限食を基本とする方針を堅持することを明言。糖質のみを極端に制限して減量を図ることは有効性だけでなく、長期的な安全性などについてもエビデンスが不足しており、「現時点では勧められない」との判断を示した。

 米好きの日本人にとって、糖質を総エネルギー量の50~60%とするエネルギー制限食の方が合っており、逆に極端な糖質制限食は、治療として続けることが困難なことを示唆している。

(編集部)

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