2013年04月17日 12:30 公開

声帯萎縮で声にかすれ、若返らせる訓練で改善

「いち、に、さん」強く発声

 声帯は、加齢とともに痩せて縮む声帯萎縮になり、声がかすれて出なくなることがある。「声帯の隙間から異物が肺に入ると誤嚥(ごえん)性肺炎を起こすこともあるので、早めに耳鼻咽喉科を受診して」と、東京医療センター人工臓器機器開発研究部の角田晃一部長(耳鼻咽喉科)は勧める。

声の震えや息が続かない

 声帯は喉の奥にあって縦16~20ミリ、横10ミリ、厚さ3ミリほどの細長い粘膜とその周りにある結合組織に包まれた筋肉。左右1枚ずつ計2枚の対になっている。

 声が出るのは、この声帯が左右に開いて1秒間に何百回と開閉するためだ。また、飲食物が誤って肺に入らないように閉じて誤嚥を防ぎ、肺炎を起こさない役目もしている。

 加齢によって声帯が痩せて縮んでくると、左右がぴったりと閉まらず、少し隙間が開いて空気が漏れる。すると声がかすれる、震える、息が長く続かない、せき込む、むせるなどの症状が表れる。

太らせる手術も

 声帯の状況は自分でチェックできる。「あー」と声を出して15秒間続けば問題ないが、10秒未満なら声帯を若返らせる訓練法を実践するとよい。椅子に腰かけて両手で椅子の端をつかみ、短く、「いち、に、さん」と声を出して「じゅう」まで区切って数える。胸を張って力を入れて発声するのがコツ。1日に朝夕2回2セット行う。

 「この筋肉訓練を1カ月続けると声が出しやすくなる。3カ月もすると80%の人は症状が改善します」(角田部長)

 それでも効果が見られず本人が希望すれば、声帯内自家側頭筋筋膜移植術を行うことがある。痩せて縮んだ声帯を太らせるのである。

 「耳の辺りの筋膜を切り取って、声帯に埋め込んでかさ上げします。手術後1週間くらいは話をしないで声帯を休ませ、3カ月から半年もすると声が出しやすくなります」と角田部長は話している。

(編集部)

2012年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

関連トピックス