2013年04月18日 12:30 公開

舌にまだら模様できる「地図状舌」、表面や先に紅斑

痛みなどなければ治療不要

 舌にまだら模様が現れ、地図のように見える状態になることがある。「地図状舌(ちずじょうぜつ)」といって、表面が赤くなる紅斑が不規則に広がる病気だ。独特の症状で心配になる人もいるが、症状がなければ治療の必要はないという。獨協医科大学病院(栃木県)口腔(こうくう)外科の今井裕診療部長に聞いた。

原因は不明

 地図状舌は、舌の表面や縁、舌の先に、白く縁取られた円形や楕円(だえん)形の紅斑が不規則に広がる口腔粘膜疾患。紅斑が大きくなり、周囲の紅斑同士とくっついて地図のような模様になる。日によって、場合によっては1日のうちでもその形や位置が変化することから、「遊走疹(ゆうそうしん)」とも呼ばれる。

 幼児によく見られ、患者全体の約15%を占めるといわれる。成人患者は1~2%程度で、若い女性が比較的多いという報告もあるが、詳しくは調査されていない。発症の原因も、体質異常、内分泌障害、ビタミンB不足、遺伝などが疑われているが、明らかではない。気管支炎、鼻炎、ぜんそくなどとの関連性も報告されている。

 今井診療部長は「通常は痛みなどの自覚症状はないことが多いのですが、人によってはピリピリしたり、染みたりすることがあります。症状がなければ治療する必要はありません」と話す。

亀裂生じることも

 治療は、行われる場合は対症療法が主体で、食べ物が染みる場合はビタミンB2、B6の内服薬やステロイド薬の軟こうなど、炎症が見られる場合は消炎鎮痛薬などが使われる。含嗽(がんそう)薬でうがいをするのも効果的だという。食事は刺激物を避けることが望ましい。

 また、舌の表面に原因不明の亀裂が生じる溝状舌(こうじょうぜつ)を合併していることがある。溝状舌も症状がなければ放置しても問題はないが、亀裂にたまった細菌によって炎症が起こりやすいので、舌ブラシなどできれいにしておきたい。

 今井診療部長は「地図状舌の発症には、心身のストレスもある程度関与することが考えられるので、規則正しい生活を心掛け、口の中を清潔に保つことが大切です。心配のない病気ですが、気になるようなら専門医のいる口腔外科を受診することをお勧めします」と助言している。

(編集部)

2012年8月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)