おしっこのおはなし
2013年04月22日 18:00 公開

3章 おしっこの量と回数で健康を知る

 あなたは1日におしっこを何回くらいしますか。その量は何リットルくらいでしょうか。おしっこの回数や量は人それぞれですが、普通は1日に7~8回、量は1.5リットルといわれています。この数字に神経質になる必要はありませんが、頻尿(おしっこの回数が多い)や乏尿(おしっこの量が少ない)は、背後に病気が隠れていることもあります。この章では、おしっこの量や回数で分かる病気を学びます。

おしっこの量が400ミリリットル以下だと乏尿

 細胞が活動した結果生まれる老廃物を十分に外に捨てるためには、それなりの量のおしっこが必要となります。どれくらいかというと、腎臓がおしっこの中に老廃物を溶け込ませる能力からして、1日に最低400ミリリットル。1章で述べた通り、細胞が活動したことで生じた毒性のある酸などが体内にとどまると深刻な病気をもたらしますから、おしっこが1日400ミリリットル以下しか出ないケースは乏尿(ぼうにょう)と呼ばれ、治療の対象となっています(図12)。

図12 乏尿

 乏尿の原因は3つに分けられます。1つは、腎臓に流れる血液量の低下です。血圧が低いと血液が腎臓に入りづらくなり、おしっこの作られる量が減ります。心不全、脱水、出血がある場合も、腎臓への血液流入量は減ります。2つ目は、腎機能そのものが低下してしまう場合です。腎臓に流れ込む血液量が十分でも、腎機能が低下して、おしっこが十分に作れなくなると乏尿となります。3つ目は、尿路結石や腫瘍など尿路に異常がある場合です。この場合、おしっこを作れても外に出せなくなり、乏尿となります。これらの症状が進み、おしっこの量が1日に100ミリリットル以下まで減った状態を「無尿」と呼びます(図13)。

図12 無尿

「昼間8回以上、夜間1回以上」が頻尿の定義

 乏尿、無尿とは逆に、おしっこが出過ぎる症状があります。多尿です。多尿では、1日に3リットル以上のおしっこが出ます(図14)。糖尿病や抗利尿ホルモンの異常が原因の場合、尿細管における水分の再吸収が抑えられることで、おしっこの量が増えます。また、大量の水を飲むことで多尿となることもあります。ストレスなどでこのような多尿が続くことを「心因性多尿」といいます。当然、トイレの回数が増え、頻尿となります。

 頻尿が起こる病気に、「過活動膀胱(ぼうこう)」があります。過活動膀胱とは、自分の意思と関係なく膀胱が勝手に収縮し、頻尿や尿もれを引き起こす病気です。尿意切迫感(おしっこがしたくなって5分間も我慢できないような感覚)や頻尿(昼間に8回以上トイレに行く)や夜間頻尿(夜1回以上トイレに行く)が見られ、日常生活にさまざまな支障を来します。

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