小堺一機さんインタビュー(がんとの闘い)(3)

2013年05月15日 15:45 公開

小堺一機さんインタビュー(がんとの闘い)(3)

第3回:素敵な“周り”

――周りの方は小堺さんほど「何とかなるや」って感じではなかったのでは?

 妻や両親は心配したと思います。でも、母なんか「聞いてもザワザワしないから大丈夫だと思う」なんてよく分からないことを言っていました。時々変なこと言うんですよ(笑)。そうやって、周りの人が"安心させてくれた"んじゃないですかね。大丈夫だよって。

 例えば、熱があるときお医者さんに行くとちょっとホッとしたりするでしょう? 家族や友達、マネジャーだったり、そういう周りのおかげってあると思います。とはいえ、入院していることを知っているのは家族、両親、事務所くらいで、関根(勤)さんにも言わなかったなあ...。その時は逆にみんなに言わなかった。

――あえて?

 あえて、ですね。言われても皆さん困るだろうと思って。だから、退院して公表という形になってからの皆さんの言葉が面白かったですよ。退院して最初に萩本(欽一)さん、大将に会ったとき、すごいんですよ。「なに、お前死んじゃうの?」だって。がんなんだから他の人は気を使って「死ぬ」とか言わないのに、「お前死んじゃうの?」って(笑)。「治りました」「あーなんだ、先に死んじゃうのかと思った」って、それはそれでうれしかったですね。

 堺(雅章)さんは家に電話くれて、「大変だったんですねえ」ってあの口調で。「ありがとうございます」って言ったら、「あ、(小堺さんの分は)僕が代わりに仕事やりますから」だって(笑)。それも素敵だなと思いました。

 あと、(明石家)さんまさんは「大変」とか一切言わないんです。「オレは今日6人笑わせた。お前、何人?」ってメールくれました。「あー、今んとこゼロ人です」って返信しましたけど(笑)。さんまさんはおしゃれですよね。

 だから、僕もどなたか病気になったら何か言おうと決めました。この間、渡辺徹さん(関連記事)が倒れる直前に「ライオンのごきげんよう」(フジテレビ系)に出てくださったとき、「舞台をやるんです」って聞いていたのが、病気になって舞台も下りたって聞いたので、「ゆっくりゆっくり治してください」って手紙を書いたんですよね。そういうことを言ってもらうの、僕はうれしかったんで。くどくど長くでなく、短めにね。

――言葉や笑いって、誰かを元気にすることってありますよね。

 そうですね。笑うって元気になるみたいですね。笑わす方は疲れるんですけど(笑)。でも、笑わってもらうとき自分も笑っていますからね。笑ってもらえないと、どんどんエネルギーを取られて「ふぇー...」ってなるけど(笑)。

――でも、元気を届けるお仕事では?

 

 仕事というか...僕らは好きでやってますからね。後輩にも言うんですけどね、僕らは「小堺さんタレントになってください」ってふうに誰かに頼まれてタレントをやっているわけじゃないですから。

 頼まれてないのに自分で好きなことやって、たまには褒められたり。

 もうちょっと若い頃ですけど、手紙をいただいたんです。彼女と付き合っていて、夏にやっている「おすましでSHOW」のチケットを買ったんだけど別れることになって、でも買ったから最後のデートとして二人で来たんです、と。で、舞台を見たら楽しくて、また仲良くなって帰ったそうです(笑)。

 こっちはそこまで考えてやってないわけですよ。もちろん一生懸命やっているんだけど、見ている方の人生にまで影響を及ぼすようなことがあるんですね。こっちの意思とは関係なく...。

 逆にやっぱり...僕は運が良いと...人とめぐり合わせてもらうとこは、運が良いと思うこともあります。病気のときの執刀医もそうですし。この前も、肩が痛くて上がらなくてシャワーも持てなくなったときも、たまたまそのときにいらしたある方のマネジャーさんに「鍼(はり)の先生でこういう方がいる、なかなか予約取れないけれど」と紹介されたんですが、予約が取れて診てもらえて、すぐ治っちゃった。そういうのはありがたいことです。

 病気になってお医者さんをいっぱい探してもめぐり会わなかったり、めぐり会えても相性が合わなかったりという方だっていると思うんです。間に合わなかったりってことも...ありますよね。すごくありがたい、たまたまなんだもの。祖母が言ってたんですよ、「お前の鼻は運が入る鼻だわ」って(笑)。

   
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