2013年05月23日 12:01 公開

10歳以下に多い「小児良性発作性目まい」、自然治癒多い

前触れなく目が回る

 子供の目まいで最も多い「小児良性発作性目まい」。よく似ている病名に「良性発作性頭位目まい症」があるが、全く異なる。脳の血管の異常な収縮や拡張の関与が考えられている目まいだ。10歳以下で多く見られ、成長に伴って自然に治る場合が多いという。帝京大学医学部付属溝口病院(神奈川県)耳鼻咽喉科の室伏利久教授に聞いた。

10歳以下に多い

 室伏教授は、小児良性発作性目まいの特徴について次のように話す。「10歳以下の子供に多く、何の前触れもなく急にくるくると目が回る回転性目まいが起こります。数分から数時間続き、自然に回復していつもと変わらない元気な状態に戻るのが特徴です。脳に異常がなく、こうした発作を5回以上繰り返すと、小児良性発作性目まいと診断します」

 原因はよく分かっていないが、片頭痛と共通した因子があると考えられているという。

 「実際、発作時に吐き気や片頭痛を伴ったり、片頭痛の家族歴のある子供に見られたりするケースが少なくありません。このため、何らかのきっかけによって、平衡に関係している前庭神経の領域で脳の血管が異常な収縮や拡張をすると、目まいが起こるのではないかと考えられます」(室伏教授)

軽症なら経過観察

 本人はもちろん、両親も心配になるが、この目まいは病名に良性と付いているようにたちの悪いものではない。

 「神経質になる必要はありませんが、目まいを主症状とする病気は他にも多いので、まず目まいの専門医を受診して鑑別してもらうことが大切です」(室伏教授)

 例えば、病名の似ている良性発作性頭位目まい症は、頭を動かしたときに耳石も動いて生じるので、頭の位置によって目まいが起こるか否かで鑑別できる。

 「小児良性発作性目まいと診断がつき、1~2カ月に1回、数分程度起こる軽症例なら経過を見ます。通常は、成長に伴って自然治癒する例が多いのです」(室伏教授)

 中等症以上では、自律神経の調整作用のあるプロプラノロールなどの薬が用いられる。また片頭痛同様、食べ物など誘因が分かっている場合はそれを避けると発作の予防につながる。

(編集部)

2012年8月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)