2013年05月28日 09:00 公開

「サナダムシダイエット」って効果ある?

 一時期、「サナダムシダイエット」が話題になったことがあったと思います。虫を寄生させるという時点で気持ちが悪く危険な気がしますが、実際のところ効果はあるのでしょうか。また、体に悪い影響はないのでしょうか。

優子(女性 20代)

寄生虫が感染したことで病的に痩せるだけで危険です。

 サナダムシなどの回虫を体内で飼ってスーパーモデルや歌手が減量したとの話があり、サナダムシで減量できると考えている人は意外に多いようです。しかし、「サナダムシを飼う」ということは「虫が寄生する」こと、すなわち「寄生虫感染症」であり、病気なのです。ダイエットではありません。

 故意的に寄生させる場合を除き、寄生虫は食物や水などに付いていた卵や幼虫などを一緒に体内に取り入れてしまうことで感染してしまいます。サナダムシは腸の中で成虫になり、腹痛や吐き気、下痢などを起こしますが、症状は軽いことが多いようです。腸以外の肝臓や眼、中枢神経などに移動した場合、さまざまな症状が出現し、意識障害など深刻な状態になることもあります。寄生虫感染症は、生命を脅かす危険性もあるのです。

 痩せたいからといって、「サナダムシを飼う」ことは絶対にしないでください。もし、危険を冒してでも「サナダムシで痩せたい!」と思うのでしたら、まずはサナダムシの画像を検索し、あれが自分の中にいることを想像してみましょう。とても「サナダムシを飼う」気にはなれないと思います。

中野 里美(なかの さとみ)

1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。