2013年06月11日 11:35 公開

心肺機能が高い人はがんにかかりにくい―米研究

がんによる死亡率も低下

 運動により心肺機能を高めることが糖尿病や肥満を予防することはこれまでに指摘されてきたが、がんにかかったり死亡したりすることにも心肺機能が関連していることが分かった。米バーモント大学医学部のSusan G. Lakoski氏(血液・腫瘍学)らは6月2日、米シカゴで開かれた第49回米国臨床腫瘍学会年次学術集会(2013 ASCO)で、心肺機能が高いほど後にがんにかかる確率やがんでの死亡率が低下することを報告した。

肺がん68%、大腸がん38%のリスク減

 研究の対象は、心肺機能などの各種検査を受けた平均年齢50歳の中年男性1万7,049人(98~99%が白人)。心肺機能はトレッドミル(ランニングマシン)で限界まで運動した際の運動強度(MET=メッツ)で測定し、運動強度別に5つのグループに分けた。

 解析の結果、心肺機能を測定した登録時からがんを発症するまでの平均期間は20.2年で、がんによる死亡までは同24.4年だった。現在までに前立腺がん、肺がん、大腸がんと診断されたのは2,885人で、運動強度が1メッツ上昇するごとに、がんによる死亡率は14%低下し、心筋梗塞などの心血管病による死亡率は23%低下することが示された。

 また、運動強度が最も低かったグループ(平均8.3メッツ)と比べ、最も高かったグループ(同13.9メッツ)のがんにかかるリスクは、肺がんで68%減、大腸がんで38%減。前立腺がんでは統計学的に意義のある差は認められなかった。なお、国立健康・栄養研究所が2012年に発行した『改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」』によると、8.3メッツは時速8キロでのウオーキングやランニング、ラグビーなど、13.9メッツは山道や坂を自転車で上る、水泳のバタフライ、クロスカントリースキーなどに相当するという。

 以上から、Lakoski氏らは「心肺機能は肺がん、大腸がん、前立腺がんにかかるリスクや死亡リスクを強力に予測する要素」と結論。編集部の取材に対して、同研究の強みを「心肺機能の評価が一つの施設で行われているため、測定方法が一貫しており信頼性が高く、具体的にがんの種類別でのかかる確率や死亡率と、心肺機能との関連を示した初めての研究」と解説した。

(編集部)

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