2013年06月12日 11:30 公開

子供の急性腹症、いつもと様子違ったら注意

痛みで発症し急速に進行

泣きやまない場合は要注意
泣きやまない場合は要注意

 成人に比べて、子供に起こりやすいのが急性腹症だ。腸が成長過程にあるためだが、発見が遅れると命に関わるケースもある。早期発見のポイントを中心に、順天堂大学医学部(東京都)小児科の清水俊明主任教授に聞いた。

腸重積や虫垂炎など

 急性腹症とは、おなかの痛みで発症し、急速に進行するため、手術を必要とすることが少なくない腹部疾患の総称。

 「具体的には腸重積や腸閉塞(へいそく)による通過障害、虫垂炎に代表される炎症のほか、卵巣茎捻転などの血行障害や消化性潰瘍による穿孔(せんこう)などがあります。いずれも発見が遅れると、命に関わりかねない危険な病気です」(清水主任教授)

 さらに問題となるのは、幼い子供は症状を的確に訴えるのが難しい点だ。

 「例えば腸重積は生後6カ月から3歳ぐらいの乳幼児に多く、この年齢ではうまく言葉で症状を訴えることはできません。早期に発見するには、何よりも両親の注意が欠かせないのです」(同主任教授)

不機嫌で泣き続ける

 それには、子供が(1)不機嫌になる、(2)泣きやまない、(3)不穏になる―など、いつもと様子が違うときは要注意。さらに次のような症状に気付いたときは、迷わず小児科を受診すべきという。

  • 全身状態が悪化してぐったりする
  • 胆汁性の黄色から緑色の嘔吐(おうと)物がある
  • おなかに激しい痛みが続く
  • 急激におなかが膨らむ
  • おなかがいつもよりも硬くなる

 診断では血液検査、レントゲンと超音波での画像検査が行われる。

 「治療は原因疾患によって異なります。炎症性の場合は原則的に抗生物質による薬物療法を行い、腸重積は高圧かん腸で腸を元の状態に戻します。また、腸閉塞は進行すると敗血症を起こす危険性があるので、経過を見ながら必要であれば速やかに手術をするのが基本です」(清水主任教授)

 こうした治療で治癒しても、再発するケースもある。治ったからといって安心しないで、親は日頃から子供の状態をよく見守ってあげるとよい。

(編集部)

2012年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)