2013年06月25日 17:30 公開

体脂肪落とすと抵抗力も落ちる?

 ダイエットのために運動と食事制限を始め、理想の体重に近づいてきたのですが、以前に比べて風邪をひきやすくなったような気がします。体脂肪を落とし過ぎると抵抗力も落ちる、なんてことはあるのでしょうか。世界のイノシス(男性 20代)

体脂肪と抵抗力に直接的な関係はなさそうです。

 「ダイエットしたら風邪をひきやすくなった」とか「痩せたら体力が落ちた気がする」という話を耳にします。

 体脂肪は摂取エネルギーが不足したときに脂肪を燃焼させてエネルギー源となったり、断熱作用によって外部の温度変化から体温を保ったり、内臓を正常な位置に保って保護したりするなど、生命を維持するために大切な役割を果たしています。また、脂肪細胞がホルモンを分泌していることも分かってきました。

 でも、「体脂肪を落としたら抵抗力が落ちる」ということを裏付けるような研究や調査結果は、今のところありません。体脂肪と抵抗力に直接的な関係はないようです。

 元気が出ないのは、ダイエットで体脂肪を落としたからではなく、急激に食事の量を減らしたカロリー不足による影響が大きいと思われます。無理な食事制限によって栄養のバランスが崩れると抵抗力は落ちます。その上、今までほとんど体を動かしていなかったのに、急に激しい運動を始めれば疲れがたまりますし、一時的に体力は落ちてしまいます。

 適正な体脂肪量は、女性で20~25%、男性で15~20%と考えられています。余分な脂肪が蓄えられて肥満になるとさまざまな病気を引き起こしますが、生きていくのに欠かせない体脂肪を減らし過ぎることも良くありません。

 健康的にダイエットするためには、カロリーと栄養のバランスを考えながら1日3食取り、運動はどこでもすぐにできるようなウオーキングや簡単な筋トレなどがお勧めです。何事も適度に行うことが大切ですし、毎日地道に長く続けていくことが良い結果につながります。

中野 里美(なかの さとみ)

1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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