2013年07月09日 17:30 公開

世界の子供の死因...1位は肺炎、2位は下痢

5歳未満の3割占める―国際共同団体調査

 肺炎や下痢は、日本のように衛生環境や栄養状態などが良い国では比較的軽い病気と捉えられているが、発展途上国などではまだまだ命を脅かす恐ろしい病気であり続けている。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のChrista L. Fischer Walker氏らは、公衆衛生の専門家による国際共同団体とともに調査を行った結果、肺炎と下痢が世界の子供の主な死因であることが分かったと、英医学誌「Lancet」(2013; 381: 1405-1416)に報告した。2011年に肺炎で死亡した5歳未満の子供は130万人、下痢は70万人に上り、この二つが死因の3割を占めているという。

集団予防接種が重要

 日本では、子供の死因トップ3に肺炎も下痢も入っていない。しかし、1960年の調査では1~4歳の死因で「肺炎と気管支炎」が2位、「胃炎および腸炎」が3位となっている(1位の「不慮の事故」は現在も変わらず)。こうした感染症による乳幼児の死亡が激減したのは、衛生環境や栄養状態、医療体制の改善など、行政や医療従事者による努力のたまものだろう。

 Fischer Walker氏らの調査によると、肺炎と下痢は全世界の子供の死亡原因の28.5%を占めており、2011年は肺炎で130万人、下痢で約70万人が死亡している。また、下痢による死亡の72%、肺炎による死亡の81%が2歳未満の子供だった。

 肺炎と下痢による死亡の7割以上が、アフリカのサハラ砂漠以南と東南アジアの15カ国に集中している。この二つの病気による死亡率は、ほとんどの地域で低下しているが、アフガニスタン、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国、カメルーン、チャド、マリなどの国では、死亡数が毎年増加しているという。

 同大学のRobert E. Black教授は「肺炎と下痢の症状や原因はさまざまだが、栄養状態が悪い、授乳が適切に行われていないなど、二つの病気には共通の危険因子がある。同じ対策を取ることで肺炎と下痢をともに予防し、治療することが可能だ」と述べた。

 対策の中でも、集団予防接種キャンペーンが果たす役割は重要で、重症の下痢の3割はロタウイルスとコレラに対する予防接種で予防できると予測されている。また、肺炎による死亡の3分の2以上はワクチンで予防できると考えられているという。

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