2013年07月11日 10:30 公開

ハチに刺されたら...対応誤ると命の危険も

刺されたことがある人は要注意

 夏は海や山、川、森などでのレジャーが楽しい季節だが、ハチの活動が活発になる時期でもある。ハチに刺された際、対応を誤ると命の危険も招く。ほとんどは激しいアレルギー反応の「アナフィラキシーショック」によるもので、過去に刺された経験のある人に起こりやすい。神戸市立医療センター中央市民病院救命救急センターの有吉孝一救急部長に、ハチに刺されたときの対処法について聞いた。

呼吸困難など起こる

 人を刺すハチは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチが代表的。刺されると強烈な痛みが走り、赤く腫れてくる。

 「毒液は数秒で放出されるため、針が残っていたらすぐに抜くこと。皮膚を強く搾って毒液も排出し、冷やしてください」と有吉救急部長。

 刺されても大抵は痛みや腫れだけで治まる。しかし、約1時間以内に、しゃべりにくい、せきが出る、呼吸困難、皮膚が赤くなる・かゆくなる、下痢などの全身症状が起きたらアナフィラキシーショックの可能性が高いので、救急車を呼ぶこと。

 「過去に刺された人では抗体が作られており、2回目以降に刺されたときに、アレルギー反応を起こす物質を作る肥満細胞が抗体にくっつき、化学物質を放出して起こるのです」(有吉救急部長)

心配なら抗体検査を

 受診が遅れて命を落とす人が毎年出ており、厚生労働省の人口動態調査によると2010年には20人が亡くなっている。救急車の到着や病院へ運ばれるのが待てないほど一刻を争う場合、刺された直後に自分で太ももに注射する「エピペン」という薬がある。衣服の上からでも打つことができ、ハチ刺されだけでなく食物アレルギーなどにも使える。

 「エピペンを注射するとアドレナリンが放出され、血管を収縮させて心臓からの血流分布を正常にしたり、気道を拡張させて呼吸を楽にさせたりします。非常に有効です。ただ、医師の処方が必要です」(有吉救急部長)

 神戸市立医療センター中央市民病院では、2006~2011年にハチに刺されて受診した人が220人おり、64%が7~9月に集中していた。ハチは黒い服装、化粧や整髪料の匂いを好むといわれるので、避けるための参考にしたい。

 有吉救急部長は「刺された経験がある人は、アレルギー専門医や皮膚科医などで抗体検査を受けるとよいでしょう」と助言している。

(編集部)

2012年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)