2013年07月11日 10:30 公開

離乳食の開始、早くても遅くても1型糖尿病になる恐れ

生後4~5カ月で始めるのが最も安全―米研究

 首が据わり、お座り、はいはいと赤ちゃんが成長していくとともに、母乳やミルクから離乳食へと変わっていく。離乳食の開始をいつにするか悩んでいる親は少なくないだろうが、その開始時期が早くても遅くても、「小児糖尿病」ともいわれる1型糖尿病にかかるリスクが高まると、米コロラド大学デンバー校公衆衛生学部のBrittni Frederiksen氏らが7月8日発行の米医学誌「JAMA Pediatrics」(電子版)に発表した。遺伝的に1型糖尿病になるリスクを持つ子供を対象にした研究で、離乳食は生後4~5カ月に開始するのが最も安全だったという。

生後4カ月未満と6カ月以上の開始でリスク2~4倍

 糖尿病には、生活習慣が深く関係して「成人病」と呼ばれていた2型糖尿病と、子供の頃から発症する1型糖尿病がある。1型は、血糖値を調節するインスリンを作り出す膵臓(すいぞう)の細胞(膵β=ベータ=細胞)が壊れ、インスリンの量が足りなくなって起こる自己免疫疾患。遺伝的な要因だけでなく、生まれたときの体重や母親の年齢なども関係するといわれている。日本では糖尿病患者の9割以上を2型が占めているが、近年は世界的に1型が増えているという。

 Frederiksen氏らは、1994~2006年に米コロラド州デンバーで行われた研究から、遺伝的に1型糖尿病になりやすい(1)「HLA」という白血球の血液型の遺伝子が糖尿病を発症しやすいタイプだった子供、(2)1型糖尿病の父や母、きょうだいを持つ子供―の2グループを対象に検討した。

 生後4~5カ月で離乳食を始めたグループ(対照群)を基準にしたところ、生後4カ月未満で離乳食を開始したグループ(早期群)では1型糖尿病になるリスクが1.91倍、生後6カ月以上で開始したグループ(遅延群)は3.02倍だったことが分かった。なお、遅延群の42%(71人)は6カ月になった当日に開始しており、この71人を4~5カ月の対照群に含めて再解析すると、遅延群のリスクは4.28倍とさらに上昇した。

開始後も授乳続けるとリスク5割低下

 食品別に見ると、生後4カ月未満で果物(ジュースを除く)を食べ始めたグループは2.23倍、生後6カ月以降で米やオート麦を食べ始めたグループは2.88倍とリスクが上昇。これに対し、生後6カ月以降で果物を食べ始めたグループや、生後4カ月未満で米やオート麦を食べ始めたグループではリスクが上昇していなかった。また、小麦や大麦、野菜、肉を食べ始めた時期と1型糖尿病リスクの間に関連は認めらなかったという。

 小麦や大麦を食べ始めた時期にに授乳を続けていたグループでは、授乳をやめていたグループと比べて1型糖尿病リスクが53%低下した。

 これらの結果を受けてFrederiksen氏らは、1型糖尿病予防の観点から「離乳食の開始は4~5カ月くらいが安全であり、その際には授乳を続けていることが予防につながる」と結論した。この時期は、米小児科学会の離乳食開始の推奨と一致する。最近、同学会が生後6カ月間は母乳だけの育児をするよう主張していることについては「どちらが良い方法なのか、混乱を招く可能性がある」と指摘している。

 離乳食の開始時期が1型糖尿病を引き起こす理由については、早期開始では腸内の免疫システムが未発達なため食べ物に異常な反応をしてしまうことなどが考えられ、遅延開始では最初から多く食べさせてしまったり、母乳だけでエネルギーを補えず、栄養不足が起きていたりすることが影響しているのではないかと考察している。

(編集部)

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