2013年07月22日 10:30 公開

ワルファリンを飲むなら納豆、青汁、クロレラ、抹茶に注意

薬の効果が帳消しに

 血液は本来、体中の血管をさらさらと流れているもの。それがどろどろになって固まり、血管をふさいでしまうと、心筋梗塞や脳梗塞などの生死に関わる病気につながる。高齢化が進み、糖尿病や高血圧に加え、高齢者によく見られる不整脈の心房細動が増える中、血栓や塞栓(そくせん)の予防に血液が固まるのを防ぐ薬「ワルファリン」(商品名ワーファリンなど)を服用する人も増えている。このワルファリン、ビタミンKが大量に含まれるものを食べると、薬の効果が弱まってしまうのだ。そこで、ワルファリンを服用する際の食生活や他の薬との飲み合わせについて、注意事項を整理しておきたい。食べ物では納豆、青汁、クロレラのほか、抹茶や粉茶にも注意が必要だ。

緑黄色野菜、海藻は付け合わせの小皿まで

 血液が固まるまでには、血液中にある「凝固因子」と呼ばれるパーツが全て組み合わさり、「血の塊」というパズルを完成する必要がある。いくつかの凝固因子はビタミンKを材料に作られる。ワルファリンは、このビタミンKの作用を抑えて凝固因子が作られるのを抑制し、血が固まるのを防ぐ作用を持つ抗凝固薬。そのため、食事でビタミンKを大量に摂取すると、ワルファリンのせっかくの効果が帳消しになってしまうのだ。

 当然、ワルファリン服用中は、ビタミンKを大量に含む納豆、青汁、クロレラは禁止。東京女子医科大学神経内科の長尾毅彦臨床准教授は、「納豆を5粒食べただけで、ワルファリンの効果が消えてしまっていた患者さんがいました」と話す。納豆は一度食べると、ビタミンKを生成する納豆菌が腸内細菌としてしばらく生きているため、すぐに納豆を食べるのをやめてワルファリンを服用し続けても、薬の効果が戻るまでに1週間以上かかってしまうという。

 最近、長尾臨床准教授が新たに目を光らせているのは抹茶と粉茶だ。「実は、緑茶の茶葉の部分にはビタミンKが豊富なのです」。茶葉をこした後の透明な緑茶の液体自体は飲んで差し支えないが、抹茶や抹茶入り食品、回転寿司店などでよく出る粉茶など、液体に茶葉自体が混ざっている緑茶飲料や食品は控えた方がよいようだ。

 一方、海藻や緑黄色野菜にもビタミンKが比較的多く含まれているが、その他のビタミンやミネラルも豊富で栄養学的にも必要な食品。また、ビタミンK自体が極端に不足しても体に悪いので、バランスよく食べなくてはならない。目安として、「海藻や緑黄色野菜は主菜にしてはいけませんが、付け合わせの小皿程度までなら食べても構いません」(長尾臨床准教授)と覚えておきたい。

「その薬、一緒に飲んでも大丈夫ですか?」を習慣に

 食生活だけでなく、薬の飲み合わせにも注意する必要がある。風邪で処方される解熱鎮痛薬や抗生物質の多くは、ワルファリンの作用を強める。つまり、一緒に飲むと今度は出血しやすくなってしまう。その他にも飲み合わせ注意の薬はまだ数多くあり、最終的な判断は処方している医師に尋ねるのが一番だ。

 主治医のところには、少なくとも1~2カ月に1回は通ってワルファリンの効きを調べる定期血液検査を行う必要がある。こうしたタイミングで気になることは主治医に相談しておきたい。また、自衛のためにもおくすり手帳を常に携行し、「新しい薬を処方されたら『ワルファリンを飲んでいますが、大丈夫でしょうか?』と尋ねる習慣をつけてほしい」と、長尾臨床准教授は語っている。

(山口 茜)

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