2013年08月19日 06:00 公開

「線維筋痛症」慢性的な痛みと強い疲労感、200万人が悩む

30~60歳代の女性に多い

 線維筋痛症は、慢性的な痛みや強い疲労感に悩まされ、日常生活に大きな支障を来す原因不明の病気。30~60歳代の女性に多く、日本では約200万人の患者がいるとみられるが、認知度は低い。東京医科大学八王子医療センター(東京都)リウマチ性疾患治療センターの岡寛部長(教授)は「治療が遅れると症状の改善が難しくなるので、早期に専門医の診療を受けて」と呼び掛けている。

うつや不安感も

 主な症状は、体の痛みと倦怠(けんたい)感・だるさで、30~60歳代の女性に多い。うつ状態や不安感などの精神症状を訴える人もおり、痛みの程度もさまざまだ。心理的・社会的なストレスや外傷などが加わることにより、痛みを感じる神経が異常を来して発症すると考えられている。

 岡部長は「完璧主義で几帳面(きちょうめん)、何々をしないと気が済まないという強迫的および悲観的思考の強い人に多い傾向があります」と指摘する。

 診断では、主に1990年に発表された米国リウマチ学会の分類基準が用いられる。

  1. 体の広範囲にわたる痛みが3カ月以上続いている
  2. 全身18カ所の痛みを強く感じる部位(圧痛点)を4キロの力で押して11カ所以上に痛みがある

―の二つを満たせば該当する。

 一部で、痛みの度合いを数値化し提示してくれるペインビジョンという機器を診断に用いる医療機関もあるという。

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リウマチ科受診を

 治療は、痛みを抑えるための薬物療法や運動療法、カウンセリングや認知行動療法などの心理療法が組み合わせて行われ、症状がつらくて眠れない患者には睡眠薬を使う場合もある。規則正しい生活やストレスの軽減、前向き思考を心掛けるといった日常生活での見直しも効果があるという。

 岡部長は「痛みを軽減するプレガバリンという薬が保険適用され、注目度が高まってきています。命に関わる病気ではないですが、慢性的な痛みや疲労感があったら放置せずに、リウマチ科などの専門機関を早期に受診してください」と勧める。専門機関については、日本線維筋痛症学会のホームページを参照。

(編集部)

2012年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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