2013年08月23日 06:00 公開

肛門がかゆい! 「肛門掻痒症」―かくと症状悪化も

せっけんで洗わないで

 肛門がかゆい「肛門掻痒(そうよう)症」は、就寝時に起きることが多い。「触ったりかいたりすると症状が悪化するので注意を」と、社会保険中央総合病院(東京都)大腸肛門病センターの山名哲郎部長は助言する。どんな病気か、どう対処すればよいのかを同部長に聞いた。

温水洗浄のし過ぎも一因

 肛門掻痒症は、肛門周辺の皮膚がかゆくなる病気の総称。入浴や就任後など体が温まってくると症状が出ることが多い。患者の肛門を診察すると、周囲の皮膚がふやけて白っぽく変色しており、湿疹のようになって下着を汚すこともある。かゆみが強くなると不眠に陥り、神経が不安定になる人もいるという。「当センターを受診する20人に1人は肛門掻痒症で、男女比は2対1と男性に多いのです」(山名部長)

 食べた物に含まれる香辛料やコーヒー、チョコレート、アルコールなどの取り過ぎが皮膚を刺激することもある。また、痔核(じかく=いぼ痔)や痔瘻(じろう=穴痔)、裂肛(れっこう=切れ痔)などのほか、カンジダ菌や白癬(はくせん)菌など真菌(かび)の付着が原因の場合もある。

 さらに、温水洗浄便座で必要以上に肛門を洗ったり、トイレットペーパーなどでこすり過ぎたりすると、肛門周辺の皮膚の抵抗力が弱くなる。そこに便や菌が付くと皮膚炎を起こしやすいという。幼児や学童では、ぎょう虫が原因のこともあるようだ。

軟こう塗布で改善

 対応の基本は、かゆくても我慢してかかない。そして、早めに大腸肛門の専門医を受診すること。

 「かゆみを抑える抗ヒスタミン薬が入ったステロイド軟こうを1日2~3回、肛門の周囲に満遍なく塗ると、ほとんどは1週間~10日で改善します。皮膚がただれている場合は亜鉛華軟こうを使うなど、症状に応じて薬を使い分けます」(山名部長)

 日頃は、せっけんの成分が刺激になるので、肛門はせっけんで洗わない。水やぬるま湯で洗った後も紙やタオルでごしごし拭かないなど心掛ける。

 「軽く押し当てて水分を取る程度にしてください。軟便や下痢便のときは肛門周辺を刺激しやすいので、食事や生活習慣の改善が大切。いぼ痔のある人は皮膚がでこぼこしていて清潔にしにくく、かゆみやただれが起きやすいので、いぼ痔の治療が必要です」と山名部長は話している。

(編集部)

2012年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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