麻木久仁子さんインタビュー(脳梗塞・乳がんとの闘い)(2)

2013年09月02日 10:30 公開

麻木久仁子さんインタビュー(脳梗塞・乳がんとの闘い)(2)

「しこりすらなかった」~二つ目の病・乳がん~

――次の病に気づいたのは?

 

脳梗塞から2年も経っていない昨年夏、人間ドックのクリニックで。「ちょっと影がある、怪しい」ってことで、一度MRI(磁気共鳴画像)で診てもらったら「やっぱり明らかに何かあるんだけど、乳がんとは言い切れないので精密検査した方がいい」と。

――自分では気づかなかった?

 全然! だって、確定診断で「がんです」って言われた後に触ってもまだ分からなかったぐらい早期だったんですよ。ステージゼロの非浸潤がんでした。乳管の中にがんができて、その乳管を破ってしこりを形成するんですけど、それより手前、乳管を破る前の段階。がんと分かってからも「え? どこ?」「これはアバラ?」なんていう感じで(笑)。

 しこりって触って分かるものだと思っていたから、自分でもちょっとびっくりというか、意外でした。しかも両方だったから、それも意外で...。ホント小さかったんですよ、1センチもなくて。切り取った範囲も1.5センチとか1.7センチだし。

――最初の人間ドックの先生がよく見つけてくれましたね

 そう、"乳がんを見つける天才"だったんです。平松レディースクリニック(東京都)の平松秀子院長。しかも、以前に私が出ている番組で"乳がんを見つける名人"として出演された方で、その番組で撮った私のレントゲン画像を保管してくださっていたんです。それで、二つの画像を並べてみて「違う」と。右側が疑わしいのは私にも何とか分かりましたが、はっきりとはしない星雲みたいにぼやっとした影だから、左側なんて「ほら、ここが違うでしょ?」って言われてもよく分からなかった。

 この時点では確定じゃなかったので、がんかどうか確定させる検査を受けるために、その場で国立がん研究センター(東京都)の予約を取って、紹介状を書いてくれました。

――言われた時にはどう感じました?

 やっぱり「えーっ!」という感じでしたね。マンモグラフィーもエコー(超音波検査)も、ずっと検査をしてきていたので。それに、さっきも話したように何となく自分は乳がんと関係ないって感じていて、自分の中では漠然と子宮がんの方が気になっていたくらい。

 先生は「まだがんかどうか分からないけど、もしがんだとしてもすごく早期だから大丈夫。治療の選択肢はいくらでもある時期だから」と励ましてくれました。

――国立がん研究センターに移った後は?

麻木久仁子さん

 また一通り同じように検査をして、針の検査(針生検)もしたんですが、あまりに初期段階過ぎてしこりにもなってないから、針が刺さらない。もちろん陰はあるんですよ。でも、針生検では確定診断できなかったんです。結局、切除生検(がんの疑いがある部分を一部切り取って顕微鏡などで検査すること)をすることになりました。

 切除生検の結果を聞きにいった時、担当の先生から「どっちから聞きたい?」なんて聞かれて、「じゃあ、左から」って。左はもしかしたら違うかもしれないと言われていたので。そうしたら、「左ね...がんでした」「うっはー、それなら"右も"って言ってるも同然ですね?」「はい、まあ、そうだねえ...」なんて(笑)。明るく「え、やっぱがんだったんだ~。そうだと思った~」なんて言いながら、内心じゃフラフラしていて、心の中で「どうしよう...」とつぶやいていたんです。

 すると先生は、すぐに「どういう段階か」とか「これからどういう治療が必要か」とか、ホルモン治療や放射線治療のこととかを重々説明してくださって、「ま、長いお付き合いになりますな」なんて言ってくれました。"長いお付き合い"ってことは...大丈夫ですよ、まだ十分治療が効く段階なんですよ、ということです。

 今思うと、説明も丁寧だし、決していい加減なことは言わない。下手に慰めるような、期待を持たせるようなこともしないけど、悲観的にもならない。とにかく適切な説明をするって感じでしたね。

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