2013年09月05日 06:00 公開

口腔カンジダ症の治療法は?

<専門家へきいてみよう 「質問する」より> 

〔症例〕 50代 男性
〔症状〕 口の中の粘膜と舌に白い苔(こけ)ができてしまいました。口腔(こうくう)カンジダ症のようですが、どのように治療するのでしょうか。

一般的には薬物療法を行います。

 口腔カンジダ症には、健康保険が適用される2種類7品目の治療薬がよく使用されています(関連記事)。

シロップ

 口腔真菌(=かび)症の標準治療薬には、「ファンギゾンシロップ」や「ハリゾンシロップ」が使用されます。  

 口腔真菌症の治療薬(アムホテリシンBポリエンマクロライド系)
左:ファンギゾンシロップ 100mg/mL(ブリストルマイヤーズ)
右:ハリゾンシロップ100mg/mL (富士製薬工業)  

 これら2つの薬はエルゴステロールという物質にくっついて細胞の壁を破壊するため、強い殺菌作用があります()。

 . 抗真菌薬の作用部位  

ゲル剤

 唇や口角の口腔カンジダ症には、「フロリードゲル経口用」が使用されます。塗りやすく、口腔内にも均一に広がり滞留性(その場にとどまる力)もよく、高濃度で患部に直接長時間作用します。

 口腔カンジダ症のゲル剤(ミコナゾールアゾール系)
左:フロリードゲル経口用2% 5g(持田製薬)
右:フロリードゲル経口用2%20g(昭和薬品化工)

カプセル

 浅在性真菌症(真菌が皮膚の表面にだけいる状態)には、「イトリゾールカプセル」や「イトラートカプセル」が使用されます。腸から吸収されて口の患部に作用します。

 浅在性真菌症の治療薬(イトラコナゾールアゾール系)
左:イトリゾールカプセル50(ヤンセンファー)
右:イトラートカプセル50(沢井製薬、日本ケミファ)  

内用液

 肥厚性カンジダ症など口の粘膜が硬くなる口腔カンジダ症には、「イトリゾール内用液」が使用されます。口の中での直接作用と、腸から吸収された後の作用があります。吸収を促進するための添加剤の影響で、おなかが緩くなることがあるため注意してください。

 肥厚性カンジダ症の治療薬(イトラコナゾールアゾール系)
イトリゾール内用液1% 140mL(ヤンセンファーマ) 

 副作用の少ない薬ですが、薬物代謝酵素も阻害されやすく、一緒に内服する他の薬が効き過ぎることがあり、飲み合わせに注意が必要です。お薬手帳などを提示し、内服中の薬を担当医に伝えてください。   

 その他、うがい薬などによるうがいは効果的ですが、口の中の常在菌のバランスも破壊されるので十分な注意が必要です。予防として使用したり、長期間連用したりすることはお勧めできません。 

【文献】
1)山口英世. 病原性真菌と真菌症, 改訂4版, 南山堂, 2007.
2)上川善昭. 総説 口腔ケアに必要な口腔カンジダ症の基礎知識-診断・治療と口腔ケアによる口腔カンジダ症の予防. 口腔ケア学会雑誌 2010; 4(1): 17-23.
3)上川善昭, 他. 総説 口腔カンジダ症 口腔感染症のUpdate. 季刊歯科医療 2010; 24(4): 24-30.

指導・監修

上川 善昭(かわかみ よしあき)

上川 善昭(かわかみ よしあき)
鹿児島大学 医学部・歯学部附属病院 診療講師 口腔外科