2013年09月10日 17:30 公開

魚由来のDHAやEPAなどで乳がんリスク低下―中国解析

欧米とアジアの80万人以上を検討

青魚で乳がん予防を!
青魚で乳がん予防を!

 健康に良いとされているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)は青魚に多く含まれている必須脂肪酸だが、乳がんになるリスクの低下に関係することが分かったようだ。中国・浙江大学生物系工学・食品科学部のDuo Li教授らは、過去に報告された26件の研究結果を解析し、魚由来のオメガ3脂肪酸の摂取が乳がんリスクの低下と関連していたと、英医学誌「BMJ」(2013; 346: f3706)に発表した。

植物由来では関連認められず

 脂肪には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられ、不飽和脂肪酸はオメガ3、6、9の3種類に分類される。そのうちオメガ3脂肪酸は、脳の発育や病気の予防など健康に良いとされており、魚油に多く含まれているDHAやEPA、その中間体のドコサペンタエン酸(DPA)のほか、植物油に多いアルファリノレン酸(ALA)がある(関連記事)。

 Li教授らは今回、米国、欧州、アジアで行われた研究21件の論文26報(対象者合計88万3,585人、乳がん患者2万905人)のメタ解析を実施。オメガ3脂肪酸の摂取量は、食事の内容や血液検査の結果から算出した。

 その結果、魚由来のDHA、EPA、DPAを取る量が最も少ないグループと比べ、最も多いグループで乳がんになるリスクが14%低く、この関連はアジア人で最も強かった。Li教授は「アジア人と欧米人では魚介類の摂取量が大きく異なることが関係しているのかもしれない」と推測している。一方、植物由来のALAではこの関連が認められなかった。

1日0.1グラム増ごとにリスク5%減

 また、魚由来のオメガ3脂肪酸を食事で取っている人では、量が多くなるほど乳がんリスクが下がり、1日0.1グラム増加ごと、または1日の総摂取カロリーに占める割合が0.1%上昇するごとに乳がんリスクが5%低下することが分かった。ただし、魚を食べる量自体ではこの関連が認められなかったという。

 今回の結果について、Li教授は「魚由来のオメガ3脂肪酸が乳がんの発症率を下げるとする、これまでの研究結果と一致する」と述べた上で、「今回の研究ではさらに、魚由来のオメガ3脂肪酸の摂取量が上がるほどと乳がんリスクが下がることを示す強力なデータが得られた」とし、今後のさらなる研究を求めている。

 なお、乳がんの予防には食事を含む生活習慣が重要とされており、脂質のほか、野菜を多く食べることがリスクを下げるとされている(関連記事)。

(編集部)

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